ロマンスの神様
□二人の弟
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「いい加減下ろせよ!」
「…ふふ…兄さんの温もりだぁ…vv」
「ギャー!すりすりすんな!!」
あの後エドは無理矢理アルフォンスから引き剥がされお姫様抱っこで家に連れ戻された。
…が家に着いてもアルはエドをなかなか離さず、それどころか暴れたりもがくエドにうっとりしつつ頬擦りをしていたのだった。
母と父はそんな兄弟を見て嬉しそうに涙している。
「感動的な再会だねトリシャ…」
「えぇ…あなたv」
「こらこらこらソコのバカップル夫婦!ツっこめよ!!」
何だかんだ騒ぎながらもエドたち4人は夕飯を済ませた。夫婦はリビングでイチャつき始め、いたたまれないエドは自室に向かい、アルはそんなエドを追いかけた。
「わぁ。ここが兄さんの部屋かぁv兄さんvいろいろ話をしようよv」
二人はエドのベッドに並んで座っていた。
「あぁ…。」
まるで飼い犬のようにじゃれついてくる弟にエドは苦笑する。まるであの時から変わっていないようで少し嬉しかった。
「それは良いけどお前、明日アルフォンスに謝れよな。」
「何で」
急にアルのテンションが下がる。
「何でって…初対面でイキナリあんな態度とったらあいつに失礼だし…それにこれからは隣の家同志仲良くしていった方がいいだろ?」
「僕謝らないよ。」
アルは即答した。
「な、何でだよ?あいつは俺の大切な親友なんだぞ!!」
エドはそんなアルに少し戸惑いながらも諌める。
「…親友ねぇ。」
アルの瞳に影が落ちるのをエドは見ていなかった。
「何だよ…」
「兄さんあいつが大切なんだ?」
「あ、当たり前だろ」
「…ムカつく」
「は?」
「すごいムカつく。何それ。僕より大切な訳?」
「な…何言ってんだよお前…」
「嫌だ!そんなの絶対許さないから!」
「ぅあっ!?」
どさっ
エドは背に軽く痛みを感じた後はっとして上にいるアルを見た。
「兄さん僕を見てよ。」
「ア…アルフォンス?」
「『アル』!……僕をあの人と同じ風になんか呼ばないでよ!!」
「ア…ル…。」
*