ロマンスの神様
□恋と変
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「…ふぅん。それでみんな姫姫書いてるわけだ。」
「…」
帰宅後アルはエドの手にまだあった残りのラブレターを片っ端から読んでいた。
「去年の文化祭の劇でシンデレラ役をウケ狙いでやったら…一部の男子の中で違う意味でウケちゃって…それからでしたっけ?エドワードさん。」
アルフォンスはなかなか口を開かないエドに代わってアルに説明していた。
「受け…狙いで…ね…」
「しょっしょうがないだろ?!クジで当たっちまったんだから!!…つか何でお前俺がもらったラブレターが男からだといきなり怒るんだよ!」
「…僕も男だから。」
「え?」
「僕だって男だけど兄さんが好きだからわかるんだよ。…この手紙書いた奴らの気持ち(下心)が…」
「アル…」
「だからヤなんだ。兄さんが他の人にそんな風に見られるなんて許せないんだよ」
「ア…うわっ!?」
「一体どんな目で見てるんですか…」
何やらいい雰囲気になりつつある二人を横から見ていたアルフォンスが、突然エドを後ろから抱きしめた。
「!…ハイデリヒさん…ごめん存在忘れてたよ…。」
アルはニヤリと笑む。
「お…おいアルフォンス?」
ギュッとさらに強く抱きしめられエドは少し息苦しかった。
「本当はハイデリヒさんもわかってるくせに。」
「さぁ。僕の気持ちはきっと君よりピュアだと思うし。下心とか言われてもね」
「嘘つき。」
「少なくとも僕は出会い頭にディープキスなんてしません」
睨みあう二人。エドの頭上でバチバチと火花が散る。
「こらっお前ら仲良くしねぇと嫌いになるって言っただろ?!」
「「!!!」」
そうだった…とばかりにアルとアルフォンスは顔を見合わせて、にこ〜っと笑いあった。(ひきつり気味に)
「やだな兄さん。冗談だよぉ」
「そうですよ。僕ら仲良しですよ〜」
「…本当か?」
訝し気にするエドの前で二人は肩を組みあった。
「まったく共学だってのに兄さんはどうしてこう男からモテちゃうんだろうね〜…まぁとにかく兄さんは僕…たちが守るから安心して!」
「そうそう!二人仲良くね!!」
「…あ…あぁ」
*