ロマンスの神様

□親衛隊
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「『イタズラしてもいいですか』…?…ダメに決まってんだろ」

ビリビリビリビリ!

「こらこらこらっ」

アルは学校に着いて一番に、エドのげた箱に入っているラブレターを一通一通開いて目を通しては片っ端から破いていった。それを止めようとするエドはアルフォンスにホールドされて動けない。

「ったく呆れるね!全部の手紙にイタズラするって書いてある!」
「まぁ今日はハロウィンですからね。」

「…お前らなぁ…」

エドは破り捨てられたラブレターを丁寧にかき集めながら溜め息を漏らした。

「あっ、ごめん兄さん!ゴミ箱に捨てなきゃ駄目だよね!」

床に散らばる紙切れを拾い集めるエドに申し訳なさそうにアルが謝る。

「違う!人が一生懸命書いたものをこんな風にしたら書いた奴可哀想だろ!」
対してエドは勘違いするアルを諌めた。
「そうかもしれないけど…ねぇ兄さん、そーゆーのはキッパリとそれなりの態度をとらないとあっちはどんどんつけあがるし…それにかえって相手を傷つけるかもよ?」

「ぅ…で、でも俺…せっかく俺を好きになってくれた奴に…冷たくなんてできねーよ…」
「…本当に昔から変わらないんだから」

今度はアルが溜め息を漏らす。



「…」





アルの言葉でエドはふと今朝見た夢を思い出した。




『中途半端な優しさで…』




『どれだけ傷ついたと思ってるの』





『困らせたりしないよ』




「…さん?エドワードさん!」
「うぇ!?」

気が付くとアルとアルフォンスが心配そうにエドを覗き込んでいた。




金と、青が見ている。



「お前らって本当…そっくりだよな」


「「はい?」」


ずっと何か考え込んでいたエドは突然今更な事を口にした。

「そりゃまぁ」
「ねぇ…?な、何で?」


「別に…あ、やべ遅刻する…」

そう呟いて走り去るエドにアルとアルフォンスは顔を見合わせた。





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