ロマンスの神様
□雨の日にくしゃみ
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ざぁあああ。
日曜日。
朝から雨。
アルはさっきからコンビニに買い出し。
アルフォンスも今日は用事で一日家族とどこかに出かけている。
「あぁー暇。」
一人で遊ぶのは何か虚しいし読みたい本は全部読んでしまった。
エドはリビングで見る気もないテレビを見ながらソファーで独りダレていた。
すると
ガチャッ
「ただいまぁ」
玄関からアルの声が聞こえてきた。
エドは暇つぶしにアルと何かして遊ぼうと体を起こしてアルがリビングに来るのを待った。
とたとたとたとた…
「あれ?」
だがアルはリビングを素通りして二階にあがって行ってしまう。
「何だよアルの奴」
ボソリと呟き、のろのろとアルに続いて階段をあがって行く。
コンコン。
「アルぅ?」
「にっ兄さん?!」
ドア越しにアルを呼ぶといつになく慌てたようなアルの声が返って来て、そっと少し開かれたドアからアルが現れた。まるで中を隠すように。
「ど、どうしたの?兄さん」
「あ、いや。暇だから遊ばねぇ?」
「くぅ…っ!」
するとアルは急に変な声を出し、何かに耐えているような素振りを見せる。
「アル?」
「な、何でもない何でもない!ただ…あのっ、ごめん兄さん!僕宿題がいっぱいあって!!」
「…じゃぁお前の宿題俺がみてやろうか?」
「くぅうう〜…っ!」
アルはまた何かに耐えているように前かがみになる。そしてすぐに顔をあげると
「ごめん兄さん僕一人で静かに勉強したいからっ!あ、あとこれ兄さんが好きなお菓子おみやげね!食べて!じゃぁ!!」
バタン!
アルは早口でそれだけ言うとエドにお菓子を押し付けてドアを勢いよく閉めた。
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