ロマンスの神様

□自動販売機
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「兄さんいい加減にしなよ!お金が勿体無いよ!」
「そうですよエドワードさん!落ち着いて下さい!」
「うるせぇ!これは俺と自販機の戦いなんだ!横から口出すんじゃねぇ!」

アルとアルフォンス二人に押さえつけられるエド。

三人の足元にはおでんやらおしるこやら青汁なんて書かれた缶が大量に転がっていた。

「待って!じゃあ僕がもう一度買ってみるからそれで青汁とか出たらおあいこって事でいいでしょ!?」
「むっ!何勝手にそんな事決めてんだよ!こらアル!」
「まぁまぁ」

見かねたアルがそんな事を提案し、ため息を吐きながらハズレを引くべく運だめしボタンを押す。

ピッ
ガチャン


「…ぁ」
「何だ!?何が出たんだアル!!」

アルフォンスにホールドされながらエドはこちらを向こうとしないアルに何が出たのか聞くと…。

「あぁ…うんおでんだったよ」

顔だけこちらに向けてニッコリ笑うアル。

だがしかしエドはそんなに単純ではなかった。

「…何でこっち向かないんだ?アル」
「ん?」
「見せろ。」
「何が?」
「お前の持ってるソレだよ!!!」
「あっ!エドワードさ…」

エドはアルフォンスの腕を振りほどいてアルの手を掴み自分の顔の前に引き寄せた。

「…何で」

アルが掴んでいた缶は…

『ミルクティー』

「あ、あはは」
「畜生!どいつもこいつも馬鹿にしやがって!」

良かれととったアルの行動は裏目に出てしまい、エドは更に燃えてしまった。

…のだが意外にもすぐに勝負(?)の決着はついた。

「あ」




『売り切れ』


「「「…。」」」








「「はい」」

エドは両側から飲みかけの缶ジュースを渡される。

「くそ…今度こそ覚えてろ」

そう言って自分たちが渡した缶を一気に飲み干すエドを見た二人は。

(兄さんをもうあそこには近づかせないようにしなきゃ!)

(か…間接キスしちゃった…!)




それぞれの想いを胸に秘めつつそれぞれの家に帰って行った。





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