ロマンスの神様
□片思い
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校庭の隅の大きな木の下でアルは女の子から告白されていた。
「あ、あの…私…アル君の事が…す、好き…」
顔を真っ赤にして想いを告げる女の子にアルは柔らかく笑った。
「…ありがとう。こんな僕を好きになってくれて。…でもごめんね。僕にも他に好きな人がいるから…君の気持ちには応えてあげられないんだ。」
アルがやんわりそう言うと女の子は泣き出してしまった。
「ぐす…ごめんね…っわかってたの…アル君には他に好きな…人いるって…っでも…っ私…諦められなくって…っ!!」
「うん。…ありがとう。その気持ちはすごく嬉しいよ。…でも君には僕よりももっといい人が必ずいるはずだから…。君がその人といつか出会った時、うまくいく事を僕も祈ってるよ。」
「ぅっうえっ…ありがとうアルく…っありがとうぅ…っ」
しばらくして女の子はアルにぺこりと一礼して去っていった。
それと同時に校舎のある一カ所から叫び声が聞こえてきた。
「うわぁああ!?ばっ馬鹿な〜〜〜!!エドに賭けで負けるなんて〜〜〜!?」
「ふふん俺の勝ちだ。…よって1000円をよこせ」
「く…っ!ほらっ!」
勝ち誇るエドにピットはイライラと投げるように金を渡した。
「くっそぉ初めて負けたぜ〜。…つかお前の弟の事なんだから元々お前の方が有利だったんだよなぁ」
負け惜しみを吐くピットにエドはニヤリと笑ってこう言った。
「賭けで勝つ方法は言い出しっぺにならない事かもな!」
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