ロマンスの神様
□無自覚
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「な〜んか」
「「え?」」
「俺…。最近変じゃないか?」
ある昼の事。アルフォンスの部屋でくつろいでいたエドが突然不満そうな声をあげた。
「そう…ですか?」
「別に兄さんどこも変じゃないよ?」
それに対して双子のようにそっくりな顔が同時にエドをきょとんと見つめた。
「いや…絶対変だ。だって俺アルが来る前は男に追いかけまわされるとか…へ、変な事させられそうになるとか…なかったし!」
「男子からのラブレターは前から来てたじゃないですか」
「け、けど!ここ最近何かおかしくねぇか!?俺男なのに何で男から女張りに危ない目に遭うんだ?!」
(それはただ…)
(兄さんが可愛いからじゃないの?)
ふくれっ面のエドを前にアルとアルフォンスがチラリと視線を交わしてうんうんと頷きあう。
「だいたい女みたいな顔ならお前らの方が断然女みたいじゃねぇか!」
「「そう?」」
「そぉだよ!!」
「うーん。でも僕たちはほら身ちょ…」
「…何だって?」
「あ、うん日々慎重に暮らしてるから大丈夫なんだよね?ハイデリヒさん?」
「そ、そうだよね!」
「…ふーん。」
(危なかった!)
(気をつけてよもう!)
何とかギリギリで地雷を避けた二人は安堵のため息を吐いた
…が。
「ちょっ!?兄さん何してるの?!」
次の瞬間二人はその息を再び飲み込む事になった。
*