ロマンスの神様
□いたずら
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「アル!アル!起きろよ!夕飯お前の分まで食っちまうぞ!?」
「んん…?あ、ごめん僕寝てた?」
「お前も俺によくこんなとこで寝てたら風邪ひくとか言っときながら人の事言えないよな〜」
「…面目ない」
アルが目を覚ますとまずきちんと髪を乾かした状態の兄が見えて、それから夕食のいい匂いがした。
(随時寝ちゃったみたいだなぁ…)
アルがぼんやりとそう思っていると、再びエドのアルを急かす声が降ってきた。
「早く来いよ。みんなお前待ちなんだぜ」
「あ、ごめん」
急かされたアルはノロノロと父と母がいるテーブルに着いた。
「「…」」
「え…な、何?」
すると席に着いた瞬間父と母二人ともがアルを凝視した。
「べ、別に…」
「何でもないよ」
「…?」
アルが首を傾げると二人はさっと顔を背けていやに真面目な顔を繕っているように見えた。
(何だろう…?)
「ねぇ兄さん僕…何か変かな?」
何だか釈然としないアルは、隣で鼻歌混じりにいただきますをする自分を見ても唯一普通だったエドに自分の姿について聞いてみた。
するとエドは何かに感動したような顔で
「何言ってんだ★お前は最高にイイ男だぜ★」
そう言ってバチンとウィンクをかましたのだった。
*