ロマンスの神様
□掃除と寄り道と
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「アル〜何かして遊ぼうぜ…ってうわ!何だよこれ!?」
休日。
昼頃ダラダラと起きたエドは特に何かする事もなくどこかに出かける予定もなかったのでアルの部屋を訪ねていた。
しかしドアを開けたエドはまず目の前の光景に驚きの声をあげてしまった。
「あ。兄さんごめん今はちょっと」
目を見開いて固まっているエドを見たアルは部屋の真ん中辺りで残念そうに笑っている。
「つかさ、どうしたんだ、この部屋は」
「ああ、うん」
普段アルの部屋はいつもキッチリ整理整頓されているのだが、今現在はありとあらゆる荷物が散乱して足の踏み場もない程に酷い有り様だった。
「別に散らかしてるわけじゃないよ?…最近物が増えちゃったから一度全部荷物を整理して、捨てられる物とかは今回思い切って捨てたいなって思ってるんだ」
その『増えた物』とはエドに関するいろいろな写真やら衣装やらまだエドに試していない怪しげなエトセトラの事なのだがアルは顔色一つ変えずにサラリとそう言ってのけた。
「ふ〜ん…せっかくの休みに掃除なんてご苦労なこった」
もっとも『ど』がつく鈍さのエドなので例えアルがそこで挙動不審になったとしてもそれに気付くはずもなかったが。
「せっかくの休みだからこそ、だよ!あ、兄さんも暇なら自分の部屋の掃除したら?」
「うへぇ、やだやだ。俺は遠慮しとくぜ」
アルの明るい提案に思い切り顔をしかめたエドは自分は昼寝でもしようかとアルの部屋を後にしようとした。
「お?」
しかし荷物の中にあるものを見つけて足を止めた。
「…へぇ!お前もそれ持ってたのか!意外〜」
「え?どれー…、あぁ。これね」
アルがエドの視線を辿っていくとそこにあったのは遊び古された様子もない『ダンスダンスレボリューション』の専用コントローラーであった。
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