ロマンスの神様

□夏休みに
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「…そんなに暑いなら服脱げばいいじゃない。少しは涼しくなるかもよ?」

アルは与えたジュースを飲み終えてからもダラダラし続けては『暑い』を繰り返すエドに冗談でそんな事を口にしてみた。

「んあ〜…そ〜する」

すると冗談のつもりで出た提案は意外な事にすんなりと通った。

「えっ?本当に?」
「あんだよ…自分家の中なんだから別にいいだろ」

「別に僕止めた訳じゃないよ」
「…なら早速」

驚くアルを余所にエドはおもむろに椅子から立ち上がると、着ていたティーシャツとハーフパンツを気だるそうに脱ぎ捨てた。

「うわぁ〜。色気のないストリップショーだぁ」
「ばぁーか。男が脱ぐところに色気なんてあってたまるかよ」

アルはそんなエドに呆れたような口調でコメントし、いかにも興味なさそうにはしていたが、内心では『何て危機感のない人だ!』と叫びながら脆い理性を何とか必死に保たせていた。

「…うーん…解放感はあるけど別段涼しくなるわけでもねぇな…。でもさっきよかちょっとはマシだな」

しかしそんなアルの心境などエドは全く知る由もなく、パンツ一丁になった感想を暢気に呟きながら再び席についた。

「さぁーて…んじゃちゃっちゃと宿題終わらすかぁ」
「そ、そうだね」

やっと少しやる気が出てきたらしいエドに同意の返事を返したものの、アルの意識はエドの裸に集中していた。




「……」
「……」

「……」
「……」

「……」
「……」

エドがやっと宿題に取りかかってから30分。

アルの方は宿題に集中するふりをしながら、しかし頭では全く別の事を考えていた。

「……」
(まったく兄さんたらいくら素っ裸じゃないとはいえパンツ一丁の姿を何の躊躇いもなく僕に晒しちゃって…。もうちょっと意識してよね、もう…)

アルは不満気な顔でさり気なくチラッとエドの胸辺りを見て、瞬間、汗でしっとりと濡れるそこにゴクリと喉を鳴らした。


「……」
(でもまぁ、『僕と兄さんの☆夏の思い出大作戦!』にはすごく好都合なんだけどさ………!!)





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