ロマンスの神様

□やきもち合戦
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「うぉお!?びっくりしたぁ!!」

朝食を済ませたエドはリビングでまだまったりしている母(と父)に行ってきますを言うと、それから玄関に向かい、きちんと靴を履いてからドアを開けた。

「エド…ワード…さん……!!!」

するとそこには頬を紅潮させ、目に涙をたっぷり溜めたアルフォンスがぷるぷると体を震わせながら立っていた。

「アルフォンス!アルフォンスじゃんか!!かなり久しぶりだなー!!…つかさ、お前の携帯何で繋がんねぇの?俺夏休み中何回も電話して…」
「エドワードさぁあああああん!!!」

エドが久しぶりの親友の顔に機嫌良く笑いながらその肩をポンと叩いた瞬間、逆にその親友は泣きながら勢いよくエドに抱きついてきた。

「うわっ!?ちょ、どうしたんだよアルフォンス!?」
「う、うぅっ、本物だぁ…本物のエドワードさんだぁ…!!」

「何泣いてんだよー…。ぉおぉい…」
「エドワードさん…エドワードさんのにおい…くんくん」

「ア…アルフォンス?」
「エドワードさんのぬくもりだよぉ…!」

「アルフォンス君」
「僕はこのまま死んでもいい……!」

何度呼びかけても反応せず、ただ夢中で自分を抱きしめる(それにちょっぴりおかしな台詞が聞こえたような気がする)アルフォンスにどうしたものかとそのままの体制で困っていると、背後から異常に冷たい風が吹いてきてエドはぶるるっ、と体を震わせた。

「じゃあとりあえずは死んでくれない?ハイデリヒさん。あ、でも死ぬ前に兄さんからちゃんと離れてね。」

冷たい風の発信源はアルだった。
どうやら『風』と感じていたのはアルから発せられる『負のオーラ』だったらしい。

「ア…ア…ル…!」

エドはアルの顔色を伺おうと恐る恐る首を後ろにひねってみた。




「ひ…!」




見なければ良かった…!




アルの顔色を見てしまったエドはその表情のあまりの恐ろしさに、思わず遊ばせていた腕をアルフォンスの背に回し、更にはキツく抱き返してしまうのだった。






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