ロマンスの神様
□やきもち合戦
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夏休みに入ってから突然、何の前触れもなく音信不通になり今日また再び、突然姿を現したアルフォンス。
エドとアルはとりあえず夏休み中彼に何が起きたのかを学校まで歩いていく間にアルフォンス本人から聞く事になった。
「…で?」
不機嫌丸出しのアルにギロッと睨まれ、アルフォンスはびくりと肩を震わせる。
「おいアル。せっかく久しぶりに会ったってのにそーいう態度やめろよ。…ただでさえアルフォンス、何かあったみたいなんだし…。な?アルフォンス」
エドは今アルとアルフォンスの間に入って歩いている。
そして元気のないアルフォンスに時々よしよししたり隙あらばアルフォンスに噛みつこうとするアルを諫めたりしていた。
「そぉゆう兄さんの態度もかなり気に食わないんですけどねぇ」
アルはエドにも噛みついた。
「何怒ってんだよさっきから…。ちょっとアルフォンスと抱きあったくらいで…」
「ふんだ。どうせ僕は心が狭いよ」
ムスッとしているアルにやれやれとため息を吐くとエドはアルフォンスに「ごめんな」と言ってこっそり小指を握り返した。
「エドワードさん…!」
実は先ほどアルにエドから引き剥がされたアルフォンスは、アルにバレないようにこっそりエドの小指に自分のそれを絡ませていたのだった。
エドは最初戸惑った顔をアルフォンスに向けたのだが、アルフォンスに某CMに出ているチワワのような表情をされるとそれ以上突き放すような事もできずにそのまま好きなようにさせていたのだ。
「じゃあ、早速話しますね」
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