ロマンスの神様

□年末年始
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「兄さ〜ん、終わった〜?」
「まーだー」




もうすぐお正月。

現在エドは自分の部屋の大掃除に追われている。

「あとどれくらいかかるのー」

そのエドを、少しだけ開けたドアの隙間からアルがジットリと見つめていた。

「そんなんわかんねーよ」

…実を言うとエルリック家で今大掃除に追われているのはエドだけである。

父や母、それにアルは忙しい年末に向け、前々から少しずつ片付けておいたので、今では正月に向けた準備などを行っている。

「兄さんもちょこちょこ掃除しておけばよかったのに」
「うるせぇなぁ」

しかしアルだけはその準備なども終えてしまい、唯一人暇を持て余していたのだった。

「手伝おっか?」
「いい」

「何で?」
「…そんな事してもらってもだな、お前の事だ…お礼に何を要求されるかわからん。そしてお前と暮らし始めるようになってからな…明らかに減ってんだよ」

「えっ?、な、何が?」
「俺のパンツだよ俺のパンツ!!…お前絶対盗ってるだろ!?」

「トッテナイヨー」
「…まさかとは思うが変な事に使ってないだろうな」

「ツカッテナイヨー」
「………。」



エドは諦めたように溜め息を吐くと再び作業に取り掛かった。

「ったく野郎のパンツなんか使って何が楽しいんだか」
「えッ?すごくイイよ?兄さんのだと思うと僕それだけで…」

「……ほーほぉ?…それだけで?」
「ア…ッ。」

「…」
「…」

「…」
「…」




カチャ。




アルは静かにドアを閉めた。





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