ロマンスの神様

□先生
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「兄さん、朝でしゅよ〜」

アルの声が耳元で聞こえる。

「ぁ…う?」

エドは背中を優しく擦られる感触にパカ、とゆっくり目を開けた。

「…???」

するとエドは何故か自分が既にベッドの上に起き上がっている事と、アルに正面から抱き締められている事に気付いた。

「…アル…?」
「おはよう兄さんv早く起きないと学校遅刻しちゃうよ?」

「がっ…こう…?」
「そ、学校」

昨日までは毎日ダラダラと昼頃まで寝ていられたエドだったが、今日からはそうはいかないのである。

何故なら、春休みが明けて今日から新学期が始まるからだ。

「学校…。うぉあ!そうだった!!」

しばらく何か考えていたエドだったが、突然ぼんやりだった目をパチッと勢いよく開けた。

「………こら」

そしてようやく今の状況に突っ込みを入れた。

「朝から何やってんだお前は。いい加減離せ」
「え〜。」

「え〜、じゃない。早く支度しないと朝飯食う時間が短くなるだろ」

するとアルは更に強くエドを抱き締め、

「だって今日からまた夕方まで離れ離れになっちゃうんだよ〜?…今のうちに兄さん補充しとかないと…v」

そう言ってエドの頭に頬擦りをした。

「いてて、補充って何だ補充って」

「補充は補充なの〜v……すんすん」
「ぎゃあああ!!ニオイを嗅ぐなぁ!!!」

「兄さんいいニオイv」
「離せぇええ!!」



アルがエドを離してやったのは、それから嫌がるエドを面白がって散々ニオイを嗅いだ後だった。






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