ロマンスの神様

□先生
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「桜が綺麗ですね」

「あぁ」
「満開だね」

アルフォンスがウットリ呟くと、右隣りのエドと、その更に右隣りのアルが同様に応えた。




現在エド、アル、アルフォンスは学校に行くべく通学路を歩いている。

三人が今歩いているその道の両脇には桜が何本か等間隔に植えてあり、ちょっとした桜並木になっていた。

見上げると、まるで春の空色にピンク色の花びらがたくさん撒かれているようで楽しい。

「新学期って感じだよねぇ」

アルがふと頭に思い浮かんだ言葉をぽつりと零すと、今度はアルフォンスがあっ、と声をあげた。

「どうしたの?ハイデリヒさん」
「…新学期といえば…僕昨日シャー芯買うの忘れた…!」

「じゃあ…今日は購買休みだし、通り道にある本屋に寄ってく?」
「うん、ごめんね」

「めっずらしー、アルフォンスが新学期に買い忘れかよ」

エドの茶化すような声に、アルフォンスは苦笑いを返した。

(えぇ…エイプリルフールのショックで…すっかり…)




+++




やがて三人は、以前エドが罰ゲームで工ロ本を買ったあの、本屋の前に到着した。

「すぐ買ってくるね!」

そう言ってアルフォンスだけが本屋の中に駆けて行く。

「…」
「…」

エドとアルはその場に並んでアルフォンスが出て来るのを待った。

「ねぇねぇ、兄さん覚えてる?ここで兄さんが罰ゲームであの本買ったの…v兄さん顔真っ赤にしてさぁv」
「ば…罰ゲームゥ?何だそりゃあ?」

「ふふ、とぼけちゃって。僕あの本まだ持ってるよ?」
「はぁ!?早く捨てろよあんなもん!!」

「覚えてるじゃん」
「………はっ。」

「…」
「…」

「……」
「……」

「………」
「………」






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