ロマンスの神様

□ひとまずは。
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「…ん」

カーテンから漏れる真っ白な光に、エドは目を覚ました。

「………?」

ぼんやりとした視界の中に映るのはシーツ、アルの机、少しだけカーテンの開いた窓…

「…ぁ…れ…」

いつも通りのアルの部屋。…しかしエドは一つだけ、一番大事なモノが足りない事に気付いた。

エドはそれを探すべくムックリと上半身を起こし、部屋全体を見回してみる。

「………アル…?」


アルが、部屋にいない。


「………………」

一瞬、まさか…、という考えが頭の中を過ぎったが、夕べ確かにアルがアルフォンス襲撃を『諦める』と言ったのを思い出して溜め息を吐いた。

(…べ、便所か何かだよな…きっと…)

そして自分を安心させるべくそんな事を思ったエドは、しかし次の瞬間ベッドから降りてそそくさと部屋を出た。




「ア…アル〜…」

昨日よりはだいぶ落ち着いてアル探索をするエドはまず二階中を探し回り、いないと解ると次に階段を降りた。

(キッチンか?リビングか…?)

しかし一階中のどこを探すもアルの姿はなく、エドは急激に脳が冷たくなって行くのを感じた。

「…う…嘘だろ…?」

途端、エドは勢いよく玄関に走った。




ガチャ




「…あれ、兄さんおはよう」

するとエドが玄関に着くか着かないかのちょうどいいタイミングで玄関のドアが開き、アルが数本の花を手に家に入って来た。

「あ…ある…。」

エドは肩で息をしながらアルの姿をポカンと確認する。



「…僕ってそんなに信用できない?」

アルはそんなエドの様子に唇を尖らせた。





*
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