ロマンスの神様

□平和
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「おーす!エド!!」

エドが教室に入ると、ピットがニコニコと機嫌良さげな様子でこちらに駆け寄って来た。

「おす」

いつも脳天気で元気の良い親友に思わずほっとしながら、エドも笑い返す。

「なぁなぁなぁ!俺さ、昨日夜中に深夜ドラマ観たんだけどさ!」
「おぉ」

エドが自分の机の横に鞄を引っ掛けて席に着くと、ピットはウキウキとその向かい側に立った。

「そこでイカした挨拶やってたんだよ!…俺たちもやってみないか!?」
「へー。どんな挨拶だよ」

「フフフ…」

ピットは一度自信たっぷりに笑った後、弾け度100%の身振り手振り&馬鹿丸出し笑いをしながら

「なぁあにしとんのぉおお〜♪」

…と歌うように叫んだ。

「え…?!」

エドは親友のあまりの弾けっぷりに置いてけぼりを食らい、呆然としてしまった。

「…って俺が言うじゃん?そしたらエドはこう言うんだ」

しかしピットはおかまいなしにまだ馬鹿丸出し笑いを止めない。

「いィーろいろだぁあよぉおオ♪」

…そう言って両腕をパタパタさせる今のピットはどこからどう見ても阿呆にしか見えなかった。




しかしピットの成績は決して悪い方ではない。…というかむしろ、将来医者を目指しているだけあって彼の成績は常に上位である。

しかしそんな事を微塵も感じさせないこの阿呆で脳天気な性格。

エドはピットのそんなところが好きだった。




「わかったか?」

『イカした挨拶』のお手本をやり終えたピットが爽やかな笑顔をエドに向けると、エドはぎこちなく笑い返した。

「じゃあ一回やってみようぜ!」
「えっ…マジで?」

「マジで」
「マジで?」

「大マジ♪」





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