戦国BASARA

□虎の衣を借る 
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※会話文
※筆頭の頭のネジが行方不明
※お館様と謙信様の意外な過去
※佐助涙目
※獣耳注意




幸村「佐助、今帰ったぞ!」
佐助「おかえりー…って、あ…あんた何て格好してんの!?」

幸村「うむ、なかなか様になっておろう!」
佐助「いやいやいやちょっと待ってちょっと待って、まさかあんた奥州からずっとその格好で来たんじゃないでしょうね!?」

幸村「何か問題があるか」
佐助「だ…」

幸村「ん?何だ?」
佐助「だから俺様も着いて行くって言ったんだよ!だから俺様も着いて行くって言ったんだよ!だから俺様も着いて行くって言ったんだよ!」

幸村「何故三度申した」
佐助「大切な事だから三回言いました!ああもう、あんな任務さえなければ無理にでも着いて行ったのに!…それよりいつまでそんな格好してんの!!取りなさい!!はしたないっ!!」

幸村「はしたないとは何だ!政宗殿よりご厚意で賜った南蛮由来の貴重な武具を!!」
佐助「どこが武具なもんですか!!あんた騙されたんだよ!!」

幸村「無礼を申すな!俺は騙されてなどおらぬ!!」
佐助「思いっ切り騙されてます―!!っていうかどこをどうしたらそれが武具になんのよ!?何の役に立つのよ?!俺様にわかるように説明してよ!?」

幸村「うむ。政宗殿によると大将が身に着ける事により兵たちの士気が上がるとの事だ!」
佐助「…」

幸村「たまたま見つけて俺に似合いそうだからと、たったそれだけの理由で敵国の武将であり好敵手でもある俺にこのように賜り物など…。そうそうできる事ではない…。政宗殿は何と心の広いお方か…!」
佐助「…ねぇ、」

幸村「何だ」
佐助「俺様としてはね、それ武具じゃなくてただの虎耳と虎尻尾にしか見えないんだけど」

幸村「確かに身を守る事には適しておらんだろうが、兵たちの士気を上げるには確かに効果があったぞ。甲斐に帰る道すがら、共が皆やたら元気だった」
佐助「…。」

幸村「それに、笑顔も絶えなかった」
佐助「…。…えっとさぁ、ちなみに片倉の旦那は何て?」

幸村「それが…何故か詫びられたのだ」
佐助「…ああ…もう…しっかりしてよ奥州唯一の良心…」

幸村「おお、いかん!こんな事をしている場合ではない!お館様にご報告に伺わねば!」
佐助「その格好で?!」

幸村「何だ」
佐助「やめなよ!怒られるよ!?」

幸村「何故だ」
佐助「だから!ああもう!!」

幸村「仮にも一国の主より賜りし物。お館様にも御覧頂かなければ政宗殿にもお館様にも無礼というものだ。それくらいそなたにも解ろう」
佐助「じゃあせめてとっていきなさいよ!ねっ、ほら、悪い事言わないから」

幸村「いい加減にせよ佐助ェ!」
佐助「それはこっちのセリフだっつうの!!いい!?そんな姿お館様に見られたら―――…」




信玄「ィイイユゥウキムラァアアアアア――――――!!!」




幸村「おおぉおおお館様ァアアアア!?」
佐助「ああー…噂してたら本人来ちゃったよ…俺様もう知らない…」

信玄「よう帰ったな幸村!使者の務めご苦労であった!!」
幸村「はっ、勿体なきお言葉!」
佐助(…ハラハラドキドキ)

信玄「して幸村よ。その武具は独眼竜からの賜り物か」
幸村「はっ。左様に御座います」
佐助「いや武具ってお館様」

信玄「うむ。よく似合うておるぞ!」
幸村「お館様…!」
佐助「はぁ!?」

信玄「かく言うワシも昔は謙信からそのような武具を贈られた事があってのう。」
幸村「お、お館様が謙信公から!?」
佐助「うっ、嘘だ!謙信様がそんな事!!」

信玄「そうか。お主もそういった相手と巡り逢うたか」
幸村「ハイッ!!」
佐助「どんな相手だよ」

信玄「あれを身に着けると兵の士気が異様に上がったのう…」
幸村「や、やはりそのような効果が」
佐助「もうやだこの上司…。騙されてんだよ…騙されてんだよ…気付けよそれ武具じゃないよ兵たちあんたらの獣耳姿に萌えてんだよ萌えられてるだけだよ気付けよ」

信玄「しかし兵たちの士気を上げる事、武具にばかりたよっていてはいかんと封印したのだ」
幸村「おお…!そうでありましたか!流石はお館様!」
佐助「うん…良かったよほんとに。萌え力で士気を上げる軍なんて嫌だよ俺様」

幸村「どうだ佐助!お館様とお揃いだ!これで文句はあるまい!?」
佐助「…はぁー…。………あのさ、旦那」




***




数日後




政宗「真田幸村ァア!!」
幸村「伊達政宗ェエ!!」

政宗「ってオイコラ!!」
幸村「むっ!?」

政宗「こっちは遠路はるばるあんたに会………一騎打ちしに来てやったってのに何だその格好は?!」
幸村「な…何か変でござろうか」

政宗「ちげーよ!!虎耳と虎尻尾だ!!こないだお前にやった武具!!」
幸村「あっ、そ、その事でござるが…申し訳ござらん!!」

政宗「Ah?!」
幸村「実はあの素晴らしき武具…政宗殿の仰る通り、兵たちの士気も上がり…そして何より、お館様も昔身に着けていた事があると聞き、某もお館様のようにと迷いなくこれからいつも身に着けていようと考えていたのですが」

政宗「武田のオッサン…!」
幸村「しかし佐助の言葉に考えを改めたのでござる」

政宗「何を言われた」
幸村「…某がお館様と同じように身に着けるにはまだまだ早いと…。確かに考えてみれば未熟な某がお館様のようになどと考える事自体が畏れ多く…修行を積み、せめて身に着けるに値する男となるまでは封印しておく事にしたのでござる」

政宗「Shit!あの猿余計な事を…!!」
幸村「本来ならば貴殿より賜りし武具を装備して出迎えたいところでござったが…誠に申し訳ござらん…」

政宗「…まぁ、そういう事なら仕方ねぇな」
幸村「政宗殿…」

政宗「…。くく、だがな猿。テメェはまだまだ奥州筆頭を甘く見てるぜ…」
幸村「む?…政宗殿申し訳ござらぬ、よく聞こえなかったのですが今何と?」

政宗「真田幸村!」
幸村「は、はい!」

政宗「そんなあんたに良いモンがあるぜ。実はこの間あんたに似合うと思ってまた買った武具があんだ。今からそれを装備しろ」
幸村「なっ…何と!?政宗殿、しかし」

政宗「No problem!今度のは犬耳と犬尻尾だ。虎は駄目でも犬くれぇのなら構わねぇだろ?」
幸村「た、確かに」

政宗「今回も効果は同じだ。兵たちの士気が上がる。ほら受け取れ」
幸村「し、しかしながら政宗殿…とても有り難いのでござるが、このような立派な賜り物をあまり戴くのは」

政宗「Ah〜n?俺のpresentが受け取れねぇってのか?」
幸村「う…。しかし、」

政宗「チッ、今更畏まってんじゃねぇよ。…なぁ、真田幸村。俺としては、あんたがこれを身に着けて、そんであんたのとこの兵が強くなれば良いと思ってる」
幸村「え…」

政宗「そうすりゃ将来甲斐を落とすのがより困難になるが、partyするならそっちの方が楽しそうじゃねぇか」
幸村「政宗殿…!」

政宗「俺を楽しませろよ、真田幸村」
幸村「…承知致した!しかしお館様がいらっしゃる限り甲斐は決して落ちませんぞ!」

政宗「そーかいそーかい、まぁ、それはいいから早く受け取れ」
幸村「では、有り難く頂戴仕る!」




***




佐助「………で、また受け取ったわけ」
幸村「うむ」

佐助「このお馬鹿は…もう…っ」
幸村「む?どうした」

佐助「つか何でいつも俺様が任務でいない時に…!」
幸村「佐助?何をブツブツ申しておる」

佐助「別に。…で、独眼竜はその後どうしたの。一騎打ちはしたの?」
幸村「いや、それが、兵たちの士気をもっと上げる為の仕草があると言って伝授して下さったのだ」

佐助「………仕草って?」
幸村「うむ、では政宗殿との修練の成果を見せようぞ。いくぞ!………わん!」

佐助「………。」
幸村「どうだ、お前の士気は上がったか?」

佐助「…旦那が汚された…」
幸村「む?駄目か?それではこれはどうだ?………わん!」

佐助「うわあああ―――っ!!やめなさい!!やめなさいったら!!」
幸村「な、何をする!!」

佐助「あんたはそんな事したら駄目!駄目なの!!」
幸村「何故だ!せっかく政宗殿より教わった…」

佐助「それは悪い子がする事なの!だから駄目!絶対余所でやったら駄目!!不良だと思われちゃうからね?!」
幸村「何っ!?不良!?」

佐助「旦那が不良になったらお館様も悲しむよ!!」
幸村「お…お館様が…」

佐助「そんなの嫌でしょ?」
幸村「わ…わかった…政宗殿には悪いがお館様を悲しませる事はできぬ…」

佐助「ほっ。…ねぇ、ところで独眼竜は旦那にその…不良な事教えてる間は大丈夫だったの?」
幸村「大丈夫?何が大丈夫なのだ」

佐助「その…ほら、様子が変になったりしなかった?」
幸村「………そういえば、修練を五つ程習得した時に何故か息を荒くして我慢できないと言っていた」

佐助「でっ?!」
幸村「気分が優れないのかと思いどうしたのか聞いてみると、士気ではなく別の場所が立ち上がったと申された」

佐助「そんな事だろうと思ったよ!!」
幸村「どこの事だったのか未だにわからなんだが…」

佐助「それで大丈夫だったの?!何かされなかった!?」
幸村「されたというか、政宗殿が俺の方に倒れ込まれてな、突然だったもので支えきれず情けない事に二人して転んでしまったが大丈夫だった。」

佐助「それ倒れ込んできたんじゃなくて押し倒されたんだよ!!大丈夫じゃないよ!?」
幸村「ちゃんと俺が下敷きになったから政宗殿に怪我はなかったぞ?」

佐助「いやだからそれが大丈夫じゃないって言ってんの!!旦那がね?!」
幸村「俺も怪我はしなかったぞ?」

佐助「んも〜〜〜…っ。…とにかく!その後どうなったのか詳しく事細かに話してもらいますよ旦那」
幸村「目つきが鋭いぞ佐助」

佐助「それだけ今真剣な話をしてるの。わかるよね」
幸村「わ、わかった」

佐助「それで二人して倒れ込んでどうしたの」
幸村「ちょうど片倉殿がやって来て素速く政宗殿を助け起こして下さったのだ」

佐助「奥州の良心!!信じてたよ!!」
幸村「それから何度も詫びられて、そうして政宗殿と帰られた」

佐助「良かった…旦那が無事で」
幸村「佐助!あまり子ども扱いするな!転んだくらいで大袈裟な!」

佐助「うんうん、ごめんね。…でも、いつまでも純粋なのは良いけどそろそろ心配だなぁ…。今度そっちの事もちゃんと教えとこうかなぁ…」
幸村「何だ」

佐助「別に?それより旦那、実はお館様って犬が苦手だって知ってた?」
幸村「な…何っ?!」

佐助「どうする?旦那」
幸村「………………………くっ、申し訳ござらぬ政宗殿…っ!!」

佐助「ハイよくできましたー♪その耳と尻尾はこっちに寄越して。俺様がちゃーんと処ぶ…保管しとくから♪…あとね、旦那はそのまんまが一番良いよ♪」




おわり

+++

(^p^)gdgdですいません

お館様が犬が苦手とか佐助の嘘です。

政宗様はこじゅにコッテリ絞られた後外出禁止を食らいました

11.08.09
 

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