ロマ神SS
□Chocolate☆Panic
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キーンコーンカーンコーン…
放課後。
「兄さーん♪かーえろー♪♪♪」
ピットはいつも通りきっちりとエドを迎えに来たアルとアルフォンスを見つけると、まっさきにアルフォンスの方へと走って行った。
「ハイデリヒ君!ハイデリヒ君!」
「あ、どうもピットさん」
にこ、といつも通り柔らかく笑い返すアルフォンスに、ピットはちょっとこっちに来なさいとばかりにエドとアルから少し離れた場所までアルフォンスを引っ張って行った。
「ど、どうしたんですかピットさん」
「………その様子じゃまだ知らないみたいだな…」
「え………?」
ピットはエドが今日これから女性と会うので忙しくなるらしい事をアルフォンスに話した。
その話はアルフォンスにとっても初耳だったようでかなり驚いていた。
…というよりショックを受けていた。
「そ…そんな!エドワードさんに女性の影が…!?ぼ…僕は…僕は何も…何も聞いてないです…」
「大の親友の俺たちにも秘密にしている交際…!エドめ…何てうらやまし…じゃない酷いヤツだ!」
うらやましいと素直に言おうとしたが横で涙目になっているアルフォンスを見てピットは慌てて『酷い』と言い直した。
「はは…気を使わなくてもいいですよピットさん…。そう…ですよね…普通これくらいの歳になったら彼女の一人くらいできたっておかしくなんかない…ですよね…。」
「ハイデリヒ君…」
「ぐす…っ、あはは、水くさいなぁエドワードさ、ぐす、エドワードさんは…。それならそうと言ってくれたらいいのに……ぐすっ、どんな、人なのかなぁ…。アル君この事知ってるのかな…」
「…………」
(ま…待てよ…。俺ってばつい軽はずみに話しちまったけど…こう言う事って他人の口から勝手に教えちまっていい話じゃなかったんじゃないか…?…ヤバい…俺結構やらかしちまったかも…)
決して泣くまいと無理して笑顔を繕うアルフォンスにピットは何やら重い責任を感じ出していた。
「き、きいた、ら、ぐすんっ、聞いたらちゃんと教えて、くれますかね…その人の、事…」
「……あ…えぇとどうだろ」
「ふふ…ふ…そうですよね…僕なんかには…きっと教えて、くれない…ですよね…はは」
何やら(自分があんな話をしたせいで)急にネガティブ思考になってしまったアルフォンスにピットは慌てた。
「…ま、まぁ待てよ!俺にいい考えがあるから!」
「いい考え…?」
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