ロマ神SS

□Chocolate☆Panic2
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※ホワイトデー






「あれ?兄さん?」
「げっ!アル!?」

【3月14日午前01:12】

アルは台所にて不審なエドを発見した。

「酷いなぁ『げっ!』はないでしょ。ていうか兄さん、こんな時間に台所で何してんの?」
「べ、別にっ!お前こそこんな時間に何でここに!」

あわあわと慌てているエドにクスリと笑うとアルは

「…別に?」

と、わざと意地悪く返した。

「…」
「…」

応戦してくると思いきや意外にもエドは少しふてくされたように

「俺寝る」

と言っただけだった。

「おやすみ兄さん」

エドは台所を後にしようと背を向けたがはっとしてアルを振り返った。

「あっ、アル!」
「ん?」

「絶対に冷蔵庫開けんなよ!?」
「もしかして兄さん、チョコうまくできなかったの?」

「んなこたねぇけどちょっと形がギリギリかな……って…」

エドはしまった、と口元を押さえたが時すでに遅し。アルはニヤニヤ笑いながら冷蔵庫に向かっていた。

「やっぱりこの甘い匂いはチョコだったんだー♪どれどれ〜?」

「わぁあ駄目〜〜!!」

ガチャリ。

エドの叫びも虚しくアルは冷蔵庫を開けてしまった。

「…?」

冷蔵庫の中には星形とハート型のホワイトチョコレートがそれぞれ透明な袋に不器用にラッピングされ、そっと置いてあった。

「ア、アルフォンスに友チョコ返しだよ…」
「手作りで?」

「あ、あいつ毎年バレンタインは手作りチョコくれてるのに俺はいつも市販されてるやつで返してたから…今年はチョコの作り方習ったし…たまにはって思ってな…あ、あくまで友チョコ返しだぞ」

「ふぅ〜ん…。…でも何で二個なの?誰かもう一人返す人いるの?」

「それは保険だ」
「保険?何それ」

「…もう眠いから寝る」
「あっ、兄さん!?」

エドはアルにくるりと背を向けると今度こそ台所を後にした。

「兄さんバレンタインチョコはもう僕にくれたから…このチョコ僕に、じゃ…ないよなぁ」

アルはじっとハート型のチョコを睨みつけた。

「兄さんがハイデリヒさん意外の人にわざわざお返しするなんて…誰だろ」

モヤモヤと誰だかわからない人物について考えながらアルは戸棚の奥の方からシッカリと前々から用意してあったらしいお菓子の材料を取り出した。

「さて。多少ハプニングはあったけど…早速やりますか」

アルは腕まくりをしてエプロンを身につけた。




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