願
□Himmlische
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中に入ると、すぐにナナリーが寝かされている部屋を見つける事が出来た
ナナリーを見つけだした瞬間、ナナリーがただ寝ているだけのように思えた
いや…、そう思いたかった
けれど、ナナリーの顔に血の気は無く、身体には温かみが無かった
タチの悪い冗談だと思いたかった
今まで、考えたくなくて考えないようにしていた事態
けれど、最悪の場合として時折、頭の中をよぎっていた事態
それが今、目の前にあった
現実として、突きつけられていた
どうしようもない事実
現実
として
全てが、壊れていくような気がした
目の前が、真っ暗になった
何も見えなくて
悲しみさえ感じられなくて
何もわからない
そんな中で
ただ唐突に…
『赦せない』
いや…
『赦さない』
と
思った
ナナリーを殺した人間が
あの男が
大人が
人が
ブリタニアが
世界が
全てが
『赦せない』
(ユルサナイ…
あの男を
ユルサナイ…
ブリタニアを
ユルサナイ…
この世界を
全て
全て
ユルサナイ
ユルサナイ
ユルサナイ
壊してやる
コワシテやる
コワしてやる
こわしてやる
コワシテヤル
『コワシテヤル』
)
ルルーシュの眼からは
ただ…
涙が流れていた
「フフ……フフフ…フハハハハ…アッハハハハハハハ…」
そして…、笑っていた
まるで壊れてしまったように
ただ涙して、笑い続けていた
その瞳に
悲しみと
絶望を宿して
ただ笑い続けた
まるで全てを嘲笑うかのように
まるで泣いているかのように
笑い続けた
そしてゆっくりと
沈んでいった