【とある魔術の禁書目録小説】


□【恋の交差点】
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「……不幸だ」





自分の進行方向に見知った制服の少女を
発見した上条当麻は、最早口癖となった
言葉をため息とともに吐き出した。





(どうする?ここは気付かれないうちに
退散した方が後々のためにも……)


「ちょっとアンタ、一体何を企んでるのか
知らないけど、わざわざ私の方から声を
掛けてあげたっていうのにシカトするとは
ほんっとにいい度胸ねぇ」


「のわぁッ!?気付かれた!?」





考え事をしている間に、いつの間にか
目の前から顔を覗き込んでいる少女。





「……気付かれたってどういうことかしら?」


「えッ!?あ……っと、それはですね、所謂
何というかまぁそのとにかく一つだけ
言わせてくださいごめんなさーい!」


「……相変わらず支離滅裂な謝罪ね……」


「……で、とにかく御坂は何してんだ?」





当麻は、然り気無く話題をすり替える。

このあたりは、普段から何度となく
危ない目に遭ってきた彼にとっては
お手の物の作業のはずなのだが。





「ん〜、まぁちょっとイライラすることが
あったから、ストレス解消でアンタに電撃を
喰らわせようかと思って」


「……あるぇ〜?話題を安全な方へと
変えたつもりが、これは墓穴を掘ったと
いうやつでせうか?」





御坂の放った言葉を聞くや否や、すぐさま
逃げの体勢を整えつつ呟く。





「冗談よ、もうそんなことしないわ。
それより、ちょっと付き合いなさい」


「ほッ……じゃなくて、私めの都合は……」


「いいから来なさい!」


「えッ、あ、ちょッ……!!」










いつも通りの日常的風景である。
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