正月

□開店間近
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扉の外には見事な門松が。


店のテーブルの上には可愛らしい鏡餅が。


今日ばかりは店内の音楽も元旦を感じさせる琴を選び。


「よ〜し、開店5分前」


義人が全員に声をかける。


ホスト達がエントランスに集まってきた。


ここで最初に入ってきた客に挨拶をする。


NO.1の零一が中央に。

NO.2の貴文が隣につく。


「開店4分前〜」


勝己達は身だしなみを確認した。


今夜は袴。


オープンしてからはじめての正月イベントなので皆、着物に戸惑っている様子。


「開店3分前〜」


けれど開店の時間が迫れば、そんな気持ちは表情から追い出す。


自分達はプロで。


お客さまをもてなすことが仕事。


「開店2分前〜」


ホストとしての顔つき、雰囲気。


「はい、開店1分前だよ〜」


なによりも。


自分達の姫を迎えたい。


「開店!」


義人の凛とした声がエントランスに響く。


ボーイ達が重厚な扉を開ける。


最初に入ってきたのは―


「ClubGSにようこそ……姫」


貴女のお目当てのホストが、手をさしのべて微笑んだ。



→fin←


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