短い話

□50.月光
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「満月でよかったですね。」





私は大佐の席の後ろにある窓から身を乗り出して、遠くに目を凝らしながら言った。




「そうだな。」




私は生まれたときからずっと中央に住んでいるが、こんなに大規模の停電は初めてだ。





暗い。でも明るい。





今のところ事故や騒動の通報もなく、静かな夜だ。




「伍長、君はもう帰ってもいいよ。」



「そうね。私たちでどうにかなりそうだから。お疲れさま。」




大佐と中尉のお言葉に甘えて、今日は失礼することにした。











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