幻想(ユメ)愛想曲
□龍神の神子の現れ
1ページ/20ページ
第五話 導きの中で
「う〜ん!!朝日が目にしみるぜ!!」
「そうだな。にしてもお前は朝から元気だな」
「ったりまえだろ?ってか、天真が朝から顔出すほうが珍しいって」
「それは、俺にケンカ売ってるのか?イノリ」
「なっ!んなわけないだろ!!」
「なら、いいけどな」
そんな時後ろから声がした
「朝から元気だな。天真、イノリ。」
土御門の廊下で朝も早いというのに元気にでしゃべっていたのは
背が高くオレンジ色の髪をしているのが地の青龍である森村天真(もりむら てんま)、
その天真に首を絞められている赤髪で背が小さく、額にあき宝珠を授かっているのが天の朱雀であるイノリだ。
そんな2人の姿を見つけ話しかけてきたのが、青く長い髪を一本で締めながら、侍姿をしている天の青龍、源頼久(みなもとの よりひさ)だった。
「頼久!?相変わらず朝早いな〜!」
どこかからかい口調なイノリに対し、まじめな顔をしながら頼久はイノリに視線を向け
「それはイノリ…お前も変わらないだろう?」
「そりゃな!!鍛冶見習いは早起きしなきゃいけないからな!!」
「そうだったな」
頼久にそういわれればイノリは照れくさそうに微笑み、その笑みにつられたように頼久も微笑んだ。
そんな中、頼久に対し天真はキッと睨みながら
「今日は剣の稽古お預けだが、明日はきちっとやるからな!?」