幻想(ユメ)愛想曲

□番外編
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「ここ…ですね」
「のようだね」

友雅と鷹通は藤姫から頼まれていた屋敷の目の前にきていた



数時間前



「小さな女子(おなご)が1人?」
「ええ…、そうなのです。
とても古いお屋敷なのですが、なんでも昔はたいそうなお方が住んでいたそうで…、そのため賊が盗みに入ったのですが…次の日に…」
「賊の1人が変死体で見つかったと…」
「はい」

怖わいのか声を震わせている藤姫の様子に、友雅は安心させるように目じりを細めながら話を切り出す

「神子殿に言うほどでもあるまい…し、我々で何とかしよう…いいね?」
「本当ですか!?それは助かりますわ!?」
「我々って…私と友雅殿でですか!?」

友雅の言葉に藤姫と鷹通は真逆な反応を示し、友雅は扇を広げ口許を隠した

「おや?不満なのかな?鷹通は」
「不満と言うわけではありませんが…」

そんなしぶる鷹通に友雅は耳元に顔を近づけ囁いた

「ほら、藤姫を見なさない、君は幼い姫を泣かせる気かな?」

はっとしたように顔をあげ藤姫をみれば、泣きそうな表情に鷹通は慌てて

「え?あ…!私たちが責任をもって調べましょう!!」

と勢いよく言えば、その返事に「よろしくお願いいたしますわ」と藤姫はにっこりと微笑んだ。


 
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