幻想(ユメ)愛想曲

□第三話 変わる運命
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「しかし、妾が知らぬうちにどんどん成長しているとはいいことよのぅ?」

クスクスと笑う橋姫の隣で雫禰は苦笑いを浮かべ

「橋姫は私をなんだと思っている、まるで、遊ばれているように感じる…ぞ」

「妾が遊ぶはずなかろうに?妾は…そなたを大切に思うておるのじゃ…ゆえに成長するそなたを見られ嬉しく思い、また、妾がそなたのそれをまじかで見られぬのが寂しいだけぞ…」

「…橋姫…」

「妾も長い間ここにとどまっておる…そなたと出会うまでは憎しみ…悲しみに捕らわれていたが、それすら忘れてしまった。それはそなたのおかげだ、そなたと出会えたことが妾……橋姫の一番の幸せじゃ」

扇子で口元を隠しながらも優しく微笑む橋姫に雫禰も笑みを浮かべ

「あなたにそんな風に言ってもらえる事が私にとっても幸せ」

「……にしてもじゃ、妾もその龍神の神子に会いたいのぅ?のぅ…そこの娘…」

橋姫はにこりと笑うと雫禰の後ろ側にいる少女を見つめた。雫禰も振り返りその姿を見ると驚いたように目を見開く

「あかね!?」

「ごめんなさい…雫禰さん…」

 
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