幻想(ユメ)愛想曲
□第三話 変わる運命
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あかねはおずおずと2人に近づくと申し訳なさそうに頭を下げ雫禰に謝った
「し…しず…、しずねさんが…出かけるときはいつも1人で、何してるとかあまり言ってくれないからついてきちゃいました」
そんなあかねに雫禰はため息をついた
「おはようございます雫禰様」
「あぁ、おはよう、藤姫」
「おはようございます、雫禰さん」
「おはよう、あかね」
朝から、相変わらず元気だというべきなのは、いいことなのだろう…だが、雫禰にとって『挨拶』というもの事態になれておらず、つい、気後れしてしまう。最近こそは慣れたものの、面倒になると頭を下げるだけのときもあるが、それをすると藤姫に泣かれややこしいことがおきるのでなるべく挨拶を返すようになった
「藤姫、私は出かける用事がある、もし、何かお使いなどがあればしてくるが…」
「まぁ、またお出かけになってしまいますの?私も、神子様も、雫禰様のお話を聞くのが好きでいますのに…最近は特にお出かけるようになられてしまい、私さびしいですわ?」
「その様に思っていることは嬉しいが私にもやらなければならぬこともある、他の八葉のようにな?」
「まぁ!そんな…八葉の方々が忙しいというのは百も承知…!…ですが…雫禰様においては私…」
「藤姫…私も陰陽師と名乗らせてもらっている身だ。確かに藤姫の言う八葉の皆のようなもの(仕事)はないが…」