□混濁の国のアリスー誘惑ー
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うさぎさんでは
ない男…
だぁれ?と訊くと
笑ってくれた

「僕はチェシャ猫 アリス 君を救いにきたんだ」

チェシャ猫さんは跪いて
私の右手を
優しくとった

チェシャ猫さんの
瞳を見つめた
縦に長い瞳孔…
黄色の瞳…

「うさぎに騙されちゃダメ…アリス…僕のアリス…僕の所においで」

怖いくらいの
独占欲を感じた
私は…うさぎさんに
ついて行くと
決めたから…って
言わなきゃ…
でも…声にならない

「ほぅらアリス…君も僕を好きになったでしょ?さぁおいで…楽しい事をしよう…」

動かない身体を
チェシャ猫さんに
担がれて
私は漆黒の闇へと
溶けていった…

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