Twins

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「あら、ハグリッドからだわ。」

「「え?!」」


リオンさんはふくろうを撫でながら手紙を開いた。


「………。」

「り、リオンさん?」


リオンさんはその手紙を読み進めるなりだんだん笑顔になり、その笑顔のまま手紙を閉じた。

訳がわからない僕とアナトールは、訳がわからないままにリオンさんにダイアゴン横丁へ連れていかれた。


ホーホー…


「り、リオンさん!」

「駄目ですよ!さんざん買って貰ったのに!」


リオンさんが向かったのはふくろう専門のペットショップ。

リオンさんは僕たちに、ふくろうを買ってやろうと言うのだ。

昨日もたくさん買ってもらったのに、そんなのいけない気がして。

それでも。


「あら。昨日のは私からの。これはハグリッドからのプレゼント。受け取ってあげて。」


それからもいろいろ抵抗はしたけれど。

十分後。

店を出てきた僕の手に握られていたのは白いふくろうだった。

アナトールが持つのは羽がどこか青びているふくろう。

魔法界でも珍しい、双子のふくろうだった。


「あ、ありがとうございます…。」

「…このふくろうの最初の配達先が決まったわね。」

「え?」


リオンさんが意味深に言うから。

僕とアナトールはリオンさんを見つめた。


「ハグリッドにお礼の手紙を書いてあげてね。きっと喜ぶわ。」

「は、はい!」

「え、でも、住所が…」


ふふ、とリオンさんは微笑った。


「大丈夫よ。この子たちは賢いからちゃんと運んでくれるわ。」


リオンさんの言う意味がわからなかったけれど、要するに、手紙を書いて足にくくりつければ良いらしい。

僕とアナトールは、帰ったら早速手紙を書こう、と約束した。

そう、帰ったら。









帰りは地下鉄にのり(リオンさんは普通に切符を買った)、とうとう叔父さんの家の前に来てしまった。

どうしても、僕とアナトールの足は止まる。


「…ハリー、アナトール。」


リオンさんは僕たちを振り向かせると、力いっぱい抱き締めた。


「出来ればあなたたちの叔父様たちに挨拶をしたいのだけれど…」


その挨拶に、いろんな意味が込められているように感じたけど、僕とアナトールは黙って言葉を待った。


「私は会ってはいけないの。そういう約束だから…」



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