Twins

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どういう約束?

どうして、会ってはいけないの?

そう聞きたかったけど、僕は口をつぐんだ。


「少しでも魔法の知識を詰めこんでおきなさい。大前提にある魔法使いの歴史、自分の魔法界における立場、いろんなものをね。」

「はい。」「…はい。」

「勉強なんて最初はみんな出来ないから、安心していいわ。ただ、あなたたちは自分たちを知らなければ、とれない立場があるから。」


リオンさんは僕たちを離すと、頬を撫でた。

その表情は、本当に辛そうで。


「…大丈夫だよ、リオンさん。」


気が付けばそう呟いていた。


「ね、アナトール。」

「うん。僕たち、二人だから…大丈夫だよ。」


二人で顔を見合わせて、微笑って。

リオンさんを安心させたくて。

リオンさんの笑顔を見て、僕たちが安心したように。


「だから、大丈夫…。」


最初、リオンさんは驚いたような顔をして。

その次に泣きそうな顔になって、また僕たちを抱き締めた。


「…優しいところはお父さん似かしら…。」


リオンさんは、小さな、小さな声で囁いた。

悲しそうな、でも嬉しそうな声。

リオンさんは、立ち上がると、僕たちの額に二回ずつキスをした。


「あなたたちの上に、いつも幸福が降り注ぎますように…。」

「リオンさんの上にも。」

「僕たち以上の幸福が降り注ぎますように!」


笑って。

笑って。

僕たちは玄関に立つ。

リオンさんはその後ろに立っていて。

僕たちがチャイムを押した時。


「…またね。」

「「え…?」」


そんな声に後ろを振り向いた。

その時には、リオンさんの姿はどこにも見られなかった。



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