Twins

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ピアーズのせいで僕たちはいままでで一番長いお仕置きを受けた。

やっと物置から出れた時には、もう夏休みが始まっていた。

そのおかげで不登校児扱いだよ僕たち。

(追記しておくと、ダドリーの誕生日プレゼントたちは思った通りほとんどが廃棄物と化していた。)

夏休みが始まると、ダドリーとその仲間たちはポッター狩りを始める。

主な内容は僕とアナトールを捕まえて殴ったり蹴ったり殴ったりかな。

まぁ、みすみすアナトールを殴らせはしないし、それに僕たちは結構逃げるのがうまい。

そういう訳で僕たちは一日のほとんどを外で過ごした。

夏休みさえ終われば、と僕たちはよく言った。

夏休みが嫌いな子供も珍しいと思うけど。

夏休みが終われば七年制の中等学校に入れるんだ。

そうしたら生まれて初めて僕たちはダドリーから離れられる。


ダドリー軍団から逃げ、夏休みが終わるのをひたすら待ち続ける。
そんな日々が続いたある日、ある郵便が届いた。

取りにいったのは、僕。

いつも通り叔父さんに命令されて、取りに行った先にあったのは三つの郵便だった。


ひとつはマージ叔母さんからの。

ひとつは請求書らしい茶封筒。




そして、僕とアナトール宛の手紙…――




まさか。

信じられない。

いままでの生涯で僕たちに手紙が届いたことは一度もない。

送ってくれる人がいるはずもなかった。

でも、実際、今、ここに、ある。






サレー州 リトル・ウイジング

プリベット通り四番地  階段下の物置

ハリー・ポッター様
アナトール・ポッター様






混乱する。

心臓が早鐘を打っておさまらない。

切手は貼られていない。

宛名はエメラルド色で書かれた、少し黄ばんだ羊皮紙の封筒。


「おい!早くせんか!」


震える手で開こうとした瞬間、バーノン叔父さんの大声が響いた。

僕は急いで叔父さんのもとへと行って手紙を二通置くと、アナトールのそばによった。

アナトールは僕の様子に気付いたのか、不思議そうな顔をして僕を見ていた。

そして、まさに、僕がアナトールに手紙を見せようとした、まさにその瞬間。



「パパ!ハリーが何か持ってるよ!」



そう言うが早いかダドリーは僕が持っていた手紙をひったくって父親に渡した。


まさか。

嘘だろう。

このタイミングで…?!




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