Twins
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僕とアナトールは飛び起き、ドアから死角となるところへ行って、強く抱き締めあった。
ダドリーが飛び起きて「なに? 大砲?」と言っているのが聞こえる。
奥の部屋からは叔父さんが――なんと――ライフルを持って現れた。
その時だけは、叔父さんがちょっと頼もしく見えた。
「誰だそこにいるのは!言っとくがこっちには銃があるぞ!」
叔父さんが叫んで、一瞬の空白。
そして……
ドーン!
蝶番が吹っ飛び、ドアが板となってこちら側に轟音をたてて倒れる。
嵐の音が大きくなった。
扉の向こうには、大きな男がいた。
雷の演出で恐ろしく見える。
玄関をくぐって、大きな男が侵入する足音、そしてバチンと扉がもとに戻される音。
嵐の音が遠ざかった。
男は部屋をぐるりと見回した。
「あ〜…ポッター兄弟はいるかね?」
僕たち?
野太い声を持つ侵入者は、それだけを言った。
僕はアナトールと瞳を合わせると、アナトールを死角において、僕だけ大男の前に出た。
アナトールが目で僕を止めるけれど、僕はかまわなかった。
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