Twins

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グリフィンドール、男子寮。


「なんで、僕とロニーだけ…。」

「ハリー?! ロニーって!」


思わず呟いた僕にロニーのツッコミがきた。

知るかよ。

今ロニーはどうでもいいんだ。

今年のグリフィンドール一年生の男子の部屋は二つ。

なんの因果か。

同室なのはレグルス、アヤネ、アシュレイ、アナトール。

んで、もう一個の部屋に、僕とロニーとその他の人々エトセトラエキストラ。

神は無情なのか…!


「そんなにショックなこと?」

「ロニー? しょうがないな、言わないとわからないのかい? まったくロニーちゃんはあんぽんたんだね。 どこかのお家のダドちゃん並だよ? どうなのそれ。 どうなの、それ! 人間として終わりだね。 終わっちゃったね! 入学してものの三時間で終わっちゃったねロン! まぁそんな終わっちゃったロナルドくんに丁寧な解説をしてさしあげるとですね? 僕たちはこれまでの十一年間同じ部屋同じベッドに入れられて育ったんですよ? し・か・も階段下の物置という特殊シチュエーションだよ? いまさら離れろと言われて簡単に頷けるほど薄い仲じゃないのさ。 まぁ、もっとも? この感情がわかって貰えるとはつゆほどにも思っていないけれど。 そんなに単純なものじゃないんだよね。

わかっていただけた?」

「すごい長い反論がきた?! っていうか半分僕をけなしてるだけだし!」


怒ろうかツッコミをいれようか挙動不審なロニーは視界に入れないようにしながら、僕はアナトールを見た。

アナトールは不安そうな表情で僕を見つめていた。


「…こうなったら校長を…。」

「アナトール?! そんな黒いこと言うのは君のお兄さんだけで充分だよ!」

「燃やすとか?」

「埋めてみる?」

「誰かこの双子止めてぇーっ!!」


ロニーの叫びが、グリフィンドール男子寮にこだました。

ていうか、ロニーとアナトールをかえたら…

「別に、ハリー泊まりに来たら良いじゃん。」



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