☆CP小説Garden☆
□副官の意味
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「拳西のバカっ!!怒りんぼ〜〜〜!!!」
「あァ!?(怒)てめえ何言ってんだ!!?書類ダメにしておいて、謝罪も無したぁどういうつもりだ!!?」
「だから、ワザとじゃ無いって言ったじゃん!!」
「ワザとで堪るかッ!!(怒)」
穏やかだった昼下がりの九番隊執務室。
それは、白がお茶をぶちまけて書類をダメにしてしまったことで、瞬く間に騒がしい午後の執務室へと化してしまった。
「ったく…また新しい書類調達に行かねえとなんねえのかよ…。」
呆れ顔に深い溜め息。
さすがに、白も拳西のそんな様子に反省したのか…。
「あの、拳西…ごめ……」
珍しく、素直に謝罪しようとした。
………のだが…。
「ったく…何でお前を副隊長にしちまったかな…ι」
ふと、漏らされた言葉。
「衛島とかの方が、よっぽど合ってる気がするぜ…ι」
「―ッ!」
拳西のその言葉に、白は酷く傷付いたような表情を浮かべる。
拳西は、白から視線を反らしていたから気付く事は無かったが…。
「とにかく、俺は新しい書類を貰ってくる。てめえは自分の仕事を…「拳西の馬鹿あああぁぁぁ!!!もう知らない!!拳西なんて、大っっっ嫌い〜〜〜!!!!!」
「Σあ!?おい、白!?てめえ、何処行く気だ!!?(怒)」
拳西の制止も聞かず、瞬歩の如き速さで執務室を去っていく白。
「………アイツは何をあんなに怒ってんだ?ι怒りてえのはこっちだっつの…(怒)」
白の行動が全く分かっていない様子の拳西。
しかし、白の行動が分からないのは今に始まった事ではないので、気にせず替えの書類を取りに行こうと、扉を手に掛けた。
「隊長、失礼します。先ほど、副隊長が物凄い勢いで出ていかれましたが…?」
扉を開けようとしたら、その向こう側から衛島が現れた。
どうやら白の逃走を目撃したらしい。
「ああ、ほっとけ。どうせいつもの癇癪だ。」
「はあ…ι」
白が暴言を吐きながら執務室を出ていくのは珍しくはない。
むしろ、2日に1回はあるくらい、日常茶飯事化している。
……それはそれで問題なのだが…。
「しかし……。」
「?なんだ?」
いつもならそれで納得する部下が、何故か歯切れ悪く話を繋げてくる。
他に何かあったかと、先を促す。
「いえ……ただ、何となく…泣いてらしたような…。」
「アイツが泣き叫びながら出ていくのは、毎度の事だろうがι」
泣き真似のようなものだが。
そしてこれは、九番隊員は席官どころか…入隊したばかりの新入隊員にも知れ渡っているくらい有名な事である。
………それもそれでやっぱり問題なのだが。
「ま、まあ…確かにそうなんですが…何か、その…いつもと雰囲気が違ったような…。」
「?……そうだったか?」
自分ではそう変わっていたようには思わなかった拳西。
思い出してみるが、いつものように「馬鹿」だの暴言を吐いて出て行った姿は、やはりいつもと同じだ。
「隊長……」
「いいから、ほっとけ。どうせすぐに、いつもみたく何食わぬ顔して戻ってくんだ。気にするだけ時間の無駄だ。」
自身の書類が相当酷い目に遭った苛立ちもあり、拳西は白の事を放っておく事に決めてしまった。
「はぁ…。」
それが、後に激しい後悔を生むことになるとは知らずに。