第一講義室
□大字粗戸/バス停留所付近/初日/7時22分49秒
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それにしても、おかしな事もあったもんや。埋めたはずの死体がなくなるやて。生き返って自分からどっか行った?まさかなー
そんなことを考えながら歩いとったら、「助けて〜」と背中に誰かがぶつかってきた。
振り向いたオレの目に入ってきたんは、埋めたはずの顔。
うわーこんなとこにおった!と、さすがのオレもびびった。
でも相手は驚いとるオレのことなんか知らんとしゃべり続ける。
「宮田先生!?うち、美奈の妹の理沙や!お姉ちゃん探してんねん!」
ははあ、双子の妹か。似とるはずや。
「お姉ちゃん無事なん??」「お姉ちゃんどこなん??」
理沙は立て続けに質問してきよる。
どないしよ、姉ちゃんはもう死んどるなんて言われへんし。
しかも、オレが殺したてさすがになぁ。言えへんわ。
しゃあない、適当なこと言うたれ。
「俺もお前の姉ちゃん探しとってん」
うわ、思いっきり棒読みになってもうたで!怪しまれてしもたか!?
いや、うんうん頷いとるで。のほのんとした妹で助かったわ。探してるっちゅうのもある意味正解やしな。
大丈夫そやな。よっしゃこのままウソつき通したる!
「とりあえず一緒に病院行こや。」
案の定、理沙はオレを信用した。