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□あいつは
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教室に入った瞬間驚いた。黄色い頭のあほ面した奴が、お色気の術!とか言ってた。あの、あほ面は見た目どうり、あほらしい。あいつは、うちはを愚弄した。許せなくて、屋上で気絶さしてやった。いつも兄さんに、暴力は駄目だ。って言われてるのに。

(兄さん、ごめんなさい。)

俺はやっぱり駄目な子だ。


6限目が終わった掃除時間でも、女子が五月蝿い。こいつらは、一体何がしたいんだろう。ただ、俺を見て来てキャーキャー。迷惑以外の何でもない。そんな、掃除時間が終わって、颯爽と帰ることにした。



放課後になった今は、クラス連中が、サッカーしようとか、ドッジボールしようとか、誘われた。俺はそれを丁重に断った。なぜなら塾に行かなければならないから。兄と同じ、難関中学校に行く為だ。遊びたくない訳でもない。兄さんの様になる俺の夢と比べては、重要では無い事が、断った一番の理由だ。




階段を降り終わり、下駄箱を開けた。俺の下駄箱は泥が一杯入ってた。所謂虐めだな。低俗な。今まで虐められる様な事はあった。が、喧嘩は望むところで、全員を実力で倒してきた。そうして、うちはを認めさしてきた。そうすれば、虐めるやつらが居なくなった。弱いから虐められるのだ。最初から強ければ問題無い。
が、今回の様に犯人が解らないのは、タチが悪い。捜す手間がいる。泥を掃った所で、俺の手間は消された。


「果たし状?」


なんだこれ。
そこには、こう記されていた。

「放課後、一人で西体育館へ来い。」





□■□■□■□■□■□■□



太陽が朱い。そして、西の空に沈みかけている。沈みかけてもなお、太陽の光りは、東の空まで果てしなく射す。
まるでそれは、俺を表しているかのようだった。否定するような奴らを、倒せば、あの朱い太陽も沈み、俺の心も落ち着きを取り戻せる。そして、夜を迎える。

皮肉なもんだ。西体育館なんて。呼びだした時点で負けるのは決まっている。なぜなら俺の心が平静を取り戻す西の方向だからだ。


おんぼろの西体育館へは、学校の職員室前の案内図を見て、地図に従って来た。学校の敷地からは少し離れた所でへんてこな場所にあった。どうやらここが西体育館らしい。この廃墟と化した西体育館。こんな所に呼び出すなんて、やり合うに決まっている。

コツコツーーーー。



体育館に足音がこだました。


奥の物影から小汚いガキが2人も来やがった。

「サスケ君だよねぇ。転校一日目から調子ノッてんじゃねーぞ!!」
二人の内のボス格と思われる下品な奴が叫んだ。

「調子にのっているだと。。どういうことだ。」

「惚けてんじゃねーぞ!!俺の彼女奪いやがって。どんな色目つかったんだよ!!」


(何言ってんだこいつ・・・。理解できねぇ。)


「今日呼び出したのは、お前が気に入らないだよ!!その目!その肌!その態度!転校生らしく、先輩の指示に従え!」

先輩?俺がいつ、後輩になったんだか。後輩になる気なんて、さらさらねぇが。

「でだ、殴らせろや!!」


俺が素直に殴られるわけねぇーだろが。
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