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□そと
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真夏のお昼の炎天下の為、熱気で視界がぼやける。

「体で払えってこういうことかよ!!」

黄色頭がクレームを黒髪頭に申し付ける。

「ああそうだ。この水月さんの家の井戸の水をうちは神社まで運べ。肉体労働だ。」

「泥棒だってばよ!!」

黒髪に素手で派手に殴られた。鼻血がでそうなほどに。

「馬鹿いうな。ここのやどぬしに許可は取ってある。」

ナルトは今気付いた。
このやり取りは、まるで漫才だ。俺が馬鹿言って、コイツがツッコミ。何も自分が好き好んで馬鹿をしたのではない。コイツが悪いのだ。一つ一つに説明が足りなさすぎる。

昨日だってそうだ。
水一口飲んで水道代を請求された。金無いと、言えばカラダで払えと言われた。そして明日の朝10時此処にこい。と。


ナルトは思春期真っ盛りだ。そのため、カラダで払えを聞いて、決してやましい事を想像しなかった訳ではない。正直、好漢にカラダで払えと言われ、ドキッ!と心がうたれた。
自分でも恥ずかしい話だ。

あのフレーズを聞いて思い浮かんだのは、突飛な妄想。
実はコイツはアイドル雑誌デビューを控えていて、一人で行くのは怖いからついてきて。で、ついていって、俺もアイドルデビュー?!
そして売れていき、マネージャーに同期デビューだし二人の絡んでいる写真撮ろうか、でコイツと絡みの写真を撮る。それが、女性客にかなり気に入られマネージャーがもっと撮ろう!と乗り気になる。俺とコイツが白いベットで裸で横たわり、白いシーツがふわりとかけられる。二人を大量のフラッシュが襲う。そして、雑誌は更に売れ、業界の要求は高まる。もっと、きわどく。もっと、淫らに。ついには、俺が攻めのポジションでコイツが受けのポジション。ローションは俺が持ってるぜ!とコイツにかっこよく言う。そして、コイツが「馬鹿!」と頬を染めつつ言う。雑誌の煽りと表紙は、俺×コイツみたいな。

そんな妄想がナルトの脳に浮かんだ。なんて、乙女なんだろう。

第二に浮かんだのは、コイツはショタショタのホスト店を経営していて、お前も入れと。
第三に浮かんだのは、いやいやショタショタホスト店ではなく普通のイケメンホイホイホスト店ではないかと。


不思議な事にナルトは、自分が俗語的な意味合いでカラダを売るのは考えなかった。なぜか、コイツとやる商業ばかりだ。

何をするんだ?!とはっきり言って、好奇心剥き出しで今日くれば・・・
真夏に汗を流す肉体労働だった。

一杯食わされた。



その時だった。

「おはよう!サスケ!」

コイツはサスケっていう名前だったんだ。

「ああ、水月か。」

(水色頭は水月さんか。声がサスケより高い。)

「この子だれ?」

水月さんに好奇の目を向けられる。コイツのギザギザの歯ほどではないが、俺も変わった外見だ。

「ウスラトンカチだ。」

俺が答える代わりにサスケが答えた。

冗談いってるだろサスケはー。と水月さんがサスケの首に纏わり付つデコピンする。俺がサスケにやれば踏みづけられる。かなりサスケと面識のある、人懐こい人と見受けた。

「あらためまして、こんにちは。名前何て言うの。」

水月さんが、手を差し出してくれた。
「うずまきナルトだってばよ。よろしくな」

差し出された手を握り握手する。水月さんが、よろしくと言いつつ、握手していた手を引き寄せた。の為、俺は水月さんにもう一歩近付いた。

「君、あのサスケに気に入られるなんて、かなりのやり手だね。愛称まで手にいれるなんて一体何をしたの。」

と耳元で囁かれた。明るい人だと思ってたが、どこか不気味な人だった。

「水道泥棒したってばよ。」

真剣な顔は一気に崩れ落ちた。プッ!アハハッ!と水月さんは大爆笑。

「サスケはケチくさいからねー。」
同情するよ。と肩を叩いてくれた。

「聞こえてるぞ、水月。何がケチだ。当然だ。」

サスケは地獄耳なんだろうか。

「いつもこの井戸の水を運ぶ俺の身にもなってみろ。いいカモが手に入ったぜ。」

カモかよ俺は!!とサスケに反論した。

「ああそうだ。カモらしくさっさと運べ。」

サスケに渡されたバケツは10リットルあった。それを平然と渡すサスケは相当な筋力がある。


「じゃあな。水月。」

「またねサスケ。と、ナルト君」

巨大バケツを両手で持ちながらだったため、はっきりと水月さんにさよならは言えなかった。
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