everyone〜zero〜
□第9章
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福田「ちょ!?(゜Д゜;)」
亀井「え…!?」
木下「………」
垣原が大声を上げた事により、一気にただ事じゃない雰囲気を感じ取る3人。驚く度合は若干違うが…。
垣原「どういうつもりでこんな球投げた!?」
子川「………!?」
声の調子が変わらない垣原に対し、子川は胸倉を掴まれながらも戸惑いはせず、ただただ疑問を感じていた。
福田「ま…まず離せよ垣原!手ェ離せって!」
垣原「……………」
物凄い剣幕で福田を睨みつけた後、ゆっくりと子川から手を離す垣原。正直福田はガチでビビっていたのだが…。
子川「…………」
垣原「…………」
木下「………」
黙り込む2人をじっと見つめる木下。一応、本格的に話し始めたのは今日からなのだが…。
亀井「…話さなきゃ分からないですよ!言わなきゃ通じないです…垣原君…!」
木下「…垣原。お前が思ってる事をありのまま言って。何か喋ろ」
垣原「……………」
子川「……………」
チラッと子川に視線をやってから、下を向く垣原。子川は子川で…
子川「(…『どういうつもりで』って言われても…)」
垣原の少ない言葉自体は受け取ってちゃんと考えてはいた。だが…答えは出ない。
垣原「…お前は、コイツの球を受けて何か感じたか?」
福田「え?子川の…球ぁ?」
福田に疑問を投げかける垣原。…名前まだ覚わってないのだろう。
福田「何か感じたかって…」
垣原「……………」
木下「……………」
子川「……………」
福田「………………」
真子「子川君の球捕ったけど嫌々感があんなに詰まったボールを捕るのは今までに無い経験よ」
福田「(……そういう事か……!?)」
先日訪れた白本真子の言葉を思い出す福田。もしや…垣原もそれを感じ取ったのか?
福田「(…でも…)俺は、何も…感じはしなかった」
この言葉は…本心である。福田は子川の球に対して何も感じ取る事は出来なかった。むしろ『球から感じ取る』事自体福田は意味が分からなかった。
垣原「……そうか……」
福田「…俺は…感じ取れる人間じゃ…無いから」
そう付け加える福田は…1年間子川や木下の球を捕ってきたキャッチャーの顔ではなかった。