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□第212章
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そよ風 0 0
チャレ高0 0
2回表、そよ風高校の攻撃は4番飯尾のセンターオーバーの二塁打から始まり、続く5番前浪のレフト前ヒットにより…。
飯尾「(行けるか…!?)」
三塁を蹴りホームへ向かおうとする飯尾夏喜。
米田「(行かせねェ!)」
ビシュッ!!
実況『レーザービームッ!!レフトの米田!鮮やかな打球処理から矢のような送球をホームに向かって放ちます!タイミングは微妙だ、間に合うかっ!?』
飯尾「(くっ…!!)」
芽舘「(米田さんナイスレーザー!これなら…!?)」
キャッチャー芽舘は走ってくるランナーに注意を払いつつ送球に向かってミットを構える。
そして真っ直ぐとレーザービーム送球が返ってくるホームベースに飯尾は足を伸ばすが……?
アウト!!
芽舘「(二塁!)」
ビシュ!!
コールも聞かない内に二塁ベースへすぐに送球する芽舘。
セーフ!!
前浪「(ちぇ…点入らんかったか)」
だが、前浪は既に二塁に到達していた。
実況『アウトォ!!刺されました飯尾!!challenge高校のレフト米田、素晴らしい送球を見せてくれました!!』
林「ナイスナイス!」
西野「良かったなぁ…」
米田「あっぶねェ…」
アウトになった事を確認して一息つく米田たち。米田自身は刺せて喜ぶというよりは、安心しているようだ。
『6番…キャッチャー…船曳君』
船曳「(キャッチャーがボールを捕ってホームベースにタッチする…。そのわずかな時間も無くせるくらい良い所に来てた送球だったな。単純に早いだけじゃなく、上手い所に投げるようになってたのか剛は…)」
先程の米田のプレーを見て、内心驚いている船曳。
船曳「(まあでも…まだワンアウト二塁だし…レフト前じゃ点は取れねェ事は分かったしな)」
凡田「(今の米田くんのプレーでレフト前に打つ事を狙うのは相手チームはやめそうでやんすね)」
レフトからレーザービームが飛んできたら、そう簡単に二塁からホームベースに到達出来なさそうだ。
芽舘「(左打者のこの人は引っ張ってくる確率が高いですね。ならば…)」
ビュウッ!
ズバーンッ!
ストライク!
船曳「(外角高めストレート。引っ張らせない気満々だな…でもまあワンアウトなんだから、俺はヒットを打ってランナーの安邦を進めればそれでいい)」
芽舘「(今度は変化球を入れますよ!)」
凡田「(OKでやんす)」
船曳「(次も恐らく外高めに来るっしょ。問題は球種…続けて同じコースにストレートは無いだろうから変化球…よし、いつも飛鳥が投げてるの見てるスライダーや、フォークに絞っとこう)」
凡田「(よし…行くでやんす)」
右のスリークオーターから早いタイミングで投球モーションを開始する凡田。
そしてその球種は…スライダー。
ビュウッ!
グググ…!
船曳「(おっしゃ読み通り!!)」
カキイイインッ!!
芽舘「(な…!?)」
倉刈「(あっ…!)」
林「(何っ…!?)」
凡田「(何でやんすと!?)」
船曳「(あーでも、飛鳥のよりは変化してたかな)」
西野「くっ……!?」
フェア!!
打球はサード西野の頭上を越え、レフト前に弱々しく落ちたわけだが…。
米田「(ち…ワンアウト一三塁かよ…)」
芽舘「(外角の球を逆らわずに流した…まあでも打球自体は弱かったけれど…何か引っかかるような…)」
凡田「(ワンアウト一三塁…次は7番でやんすか…)」
前浪「(…よし…)」
船曳「(…点取るぞ…)」
点を取る気満々のそよ風高校の作戦は…。
コンッ!!
芽舘「(決められた!!)」
凡田「(当てられたでやんす!)」
…スクイズだった。
前浪「(よーしまず1てーん!!)」
林「(マジかぁ…)」
倉刈「(そんなぁ…)」
塩山「(してやられた感じだぁ〜…)」
実況『そよ風高校、ワンアウト一三塁からまずゲッツーを無くす為に、ワンアウト二三塁にしてからのスクイズを決めました!!』
芽舘「(盗塁…阻止…したかったですよォ…)」
船曳「(…ま、さすがに盗塁刺したいとは言え、ランナーにつられて阻止する訳にもいかねーもんな)」
新垣「(ワンアウト一三塁の場合、一塁ランナーが走ってキャッチャーが二塁に投げたらサードランナーが走ってきてしまう…どこかでミスがあれば打たれなくても1点です)」
芽舘「(気をつける所多いんですよねーワンアウト一三塁って…)」
新垣「(何にせよ取られたものはしょうがないですから切り替えて貰わないと…)」
ズバーンッ!
ストライク!
バッターアウト!!
チェンジ!!
新垣「(…あ、切り替えてた)」
そよ風高校の8番バッターを三振に抑え2回表は終了。