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□拍ログ
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行き過ぎた愛の形


人間観察が趣味と云うか、

それが好きな私にとって貴方の行動や発想は実に興味深い。

貴方の性格を考えて、どうするか予想を立てる。

そして、決まって貴方は予想外の行動をとる。

私はますます貴方に興味を持つ。


「それって、俺が好きって事?」


自分を指差しながら、ニカッとでも云うような表情を私に向ける。

そんな表情を壊すように、私は容赦なく言葉を口に出す。


「"好き"と"興味"と云うのは、感情の意味が違いますよ?」


そう言うと、貴方は即座に捨てられた子犬のように、シュンと表情を変える。

その表情の豊かさが、見ていて飽きない。


「で、でもよー…俺以外の男には興味ないんだろ?」

「ないと云う訳ではありません。面白い人は沢山いますよ」


ガクッと首を動かし、下を向く。

この人は本当に色んな表現をするな…。


「個性的な人が多く、監察と云うか、見ていて飽きませんね…ただ」

「ただ?」

「貴方は他の人とは少し違う…良い意味でね。
 だから他の人よりも興味深い…気になる、とでも言いましょうか」


理解してくれただろうか?

すると、貴方の頬がほんのりと赤くなる。

これは…理解したと云えるのだろうか?


「まぁ、今は貴方の事が知りたいと云った感じです」

「……本当に、俺には興味しかねぇのか?」


貴方は私を覗き込む。

少しばかり、貴方は疑うように、それでいて少し悲しそうに問う。

その仕草が微笑ましくて、私は口の端を歪ませ、質問を質問で返す。


「何故そう思うのですか?」

「…気になるとか、知りたいって言われたら誰だって思っちまうだろ。なのに興味だけって…」

「私が貴方を好きになってしまったら、そうですね…」


視線を外し、空を見て考える。


「な、なんだよ」


何かを思い付いたように微笑む私を見て、少し冷や汗を流す。


「どうしようもなく愛し過ぎて、縛ってでも離したくありません」


だから、興味だけなんです。と、繋げる。

想像したのだろうか、少し顔色を悪くする。

しかし、しばらくして貴方は顔を赤くし


「お前になら、いい…かも…」


予想外の言葉を口にした。

少し引き気味か、逸らされる言葉を待っていた私は

無表情ながらも驚いた。

本当に貴方は、私を不思議な気持ちにさせる…いや、夢中と言った方がいい。

そっと、貴方の頬へ片手を添える。

こんな事を初めてする私に、貴方は戸惑う。と云うか、焦る。


「お、おい。どうしたんだ?」


顔がどんどん赤くなっていく。意外と純情なんですね。


「後悔しても、知りませんよ?春道さん」


私は貴方に顔を近づけた。







終。
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