拍手ありがとうございました!
以下はお礼夢です。
今回は笛!連載の続きになります。
一話をお読みになってない方は『Dreams』にて再録してありますのでどうぞそちらを。
「少しいい?」
突然現れた謎の女性に、彼らは疑心を抱いた。
小柄で迷彩の帽子を深く被っていて顔もよく見えないが、雰囲気から自分たちより年上なのを感じる。
しかしいかんせん正体がわからない。
何とも言えないメンバーに代わり、昭栄はズカズカと女性に歩み寄り、びしっと指を突きつけた。
「あんたなんばしよっとね!?ここは関係者以外立ち入り禁止たい」
「ししし昭栄!」
あまりに不躾なその態度に他のメンバーは慌てた。
この場にキャプテンかカズがいたならば一発で抑えられるが、あいにく2人ともここにはいない。
おそるおそる女性の様子を伺えば、彼女はうっすら笑みを浮かべていた。
「うーん、予想通りの性格ね、九州選抜DFの高山昭栄くん?」
「な、なんで俺のこと知っとーと!?」
「それが仕事ですから」
「…仕事っすか?」
ようやく立ち直った他のメンバーが、小さく質問する。
「ああ、ごめんね。私は今日君たちの取材に来たんだ。ちゃんとアポもとってるよ」
ほら、と彼女は胸元にあるカードを示した。
なるほど、確かに入場パスだ。
自分の失態を知った昭栄は、その瞬間顔を朱に染める。
「す、すんません!俺早とちりば…」
「あはは、いいよいいよ。元気だねぇ昭栄くんは」
「!」
気に入ったのだろうか、下がった昭栄の頭を女性はよしよしと撫でた。
自分が何をされているのか気づいた瞬間、さらに昭栄の顔は赤くなる。
先ほどとは意味が全く違う、赤面。
(な、なんね、この優しい撫で方!)
「そ、それよかお姉さんの名前ば教えてくれん?」
恥ずかしくなった昭栄はその手から離れ、言い訳でもするかのように彼女に問う。
いたって普通の質問だが、何故か彼女はくすくす笑った。
「ああ、忘れてた。私の名前はね――」
そう言いながら帽子を外す。
その傍から
「姉貴!」
カズの声が響く。
「私の名前は功刀零」
勝気そうな瞳に、整った顔立ち。
「九州選抜GK、功刀一の姉貴です」
最強GKとそっくりな、綺麗な女性が、そこにいた。
完全オリキャラになっちゃったなー零ちゃん。
零が標準語なのには理由ありません。
ただ私がわからないだけです。
前回の最後は九州弁で終わらせてしまいましたが…
拍手ありがとうございました!
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