gentry

□似てないようで似てる君
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「純哉ぁ、悪いけどアイツどうにかしてくれよ。お前の言うことなら聞くだろアイツ。」



「はあ…。」



思わずため息をつくと、「わかった」と一言言い席を立った。
「悪いな」と申し訳なさそうにしている友人に苦笑で答えると、「アイツ」がいるだろう場所へ向かった。





「頼むよ直哉!今度の試合俺ら負けられないんだよ!ちょっとでいいから出てくれよ!」


「………やだ。」

目的地である隣のクラスへ行くと"アイツ"【大木直哉・オオキ ナオヤ】がガタイのいい男子たちに囲まれていた。


「そう言わず頼むよ。ちゃんとお礼はするし!それにお前くらサッカー上手い奴が帰宅部なんてもったいねえって!」

「どうかお願いします!!」

「………。」



遠くから見てもその光景は圧巻だった。ぱっと見20人くらいの男たちが、一人の男子生徒の机を囲んで頭を下げている。しかも中心にいるとうの本人は、ついに黙り込み一切の反応を示さなくなっていた。
 

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