故郷想いて、
□3・これから
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あれから暫く時間が経ち、立ち話も何ですのでと言うことで一階に下りてきた。下には畳の部屋もあるのでそこで話し合いをしようと腰をおろす。
けど
「...」
「...」
さっきからこの調子だ。家の中の物が珍しいのか時折キョロキョロとさせている。それに良く見ると鎧っぽいものを着ているしあれ、袴だよね。現代で(私服)あんな服を着るだろうか!?茶道の先生とか武術の師範の先生ならまだ分かるけど目の前にいるこの男性はどうみても私と変わらない。髪の毛銀髪だけど。
「あの、どうして私の家で倒れてたんですか?」
そう男性に言うと顔を此方に向けた。
「...分からん、気が付いたらあの部屋にいた。お前が連れて来たんじゃ無いのか?」
「ええぇ!?違います!!体格的に無理ですし、貴方の事初めて見ますし、私には何のメリットもありません!!」
慌てながらそう言うと小声で「めりっと?」っと??状態の男性に
「それにどうして鎧?着てるんですか?」
と聞く。男性は「は?なに言ってんだこいつ」的な変なものを見る感じで私を見つめる。
「常日頃からの準備は上に立つものとして当たり前だ。部下が見習うだろう」
なるほどと感心していると次の言葉で耳を疑った。
「何時戦があるか分からないからな」
...は?
い、戦?
今度は私が??状態だ
「戦なんて今の時代ありません」
「戦が無い?何言ってんだ?秀吉様が亡くなられて豊臣の存続が危うい中だぞ。徳川側との戦は避けきれない。奴はどんな手を使ってでも豊臣側を滅ぼそうとする。だから豊臣と秀頼君、俺らの家を守る為に俺は徳川方についた。...あいつが早まらなければの話だが」
息もつかずそう言われたけど、何だか大変そうなのは分かった。
けど彼の言っている秀吉が亡くなった、徳川とか豊臣だとかまるで戦国時代じゃないか。何かのイベントか?とも思ったけど彼が嘘をついているようにも思えないし必死だし。
「其よりお前…」
男性が私に話かけた
「あ!私名無しさん名無しって言います。この家に一人で暮らしてます。」
「一人?家族はいないのか?」
「あ、はい。もう半年前に両親は事故で...」
「そうか、すまない…」
気を使わせてしまったのか私の言葉を遮った
「俺は加藤清正だ」
「清正さん」
...ん?加藤清正??
まさか…いやでも、豊臣とか秀吉とか言ってたし