お題
□いざ魔王の部屋へ
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午後6時40分
何とか夜ご飯のコロッケを作り終え隣のリヴァイさんに持っていく用にお皿に盛る。なんだかイラっとしたので付け合わせのキャベツを山盛りにしてラップをする。
ふとお皿にある揚げたてのコロッケたちを見る。少し作りすぎてしまったかと思うが、足立さんにも持っていこうと思いこちらもお皿に盛る。残りは明日のお弁当のおかずで良いや!!
よし!魔王の巣窟へ!
ピンポーン
「あれ?いない?」
ピンポーン…
何だよ居ないじゃん!自分からおかずよこせって言ってたクセに!!
ドアは…(ガチャ)あ、空いた…。
どうしよう。一応声かけてみようか
ドアからこっそり頭だけ部屋の中へ入て「リヴァイさーん!!」と呼んでみた。あ、なんかいいにおい。間取は私の所と一緒なんだ。つか部屋キレイじゃね?フムフムと部屋を見て(玄関からね!!)るとガチャっと浴槽のドアが空いた。いいにおいはシャンープの香りでした。
「あぁお前か。悪ぃ、中入って待ってろ」
ガチャンとドアが閉められ取り残された私はどうしよう入っても良いの!?魔王の部屋に入っても良いの!?生きて出られるかな等と思い「お邪魔しまーす」と言い中へ入った。
(※名誉のため。軽々と男性の部屋へ入っていく軽い女じゃありません!!私とリヴァイさんは只の隣人同士です。まぁ一応の顔見知りなので…)
居間へ行くと男性の部屋とは思えないほど綺麗で無駄な物がなくシンプルだった。なんだかリヴァイさんの部屋だなーと思った。そしていい香りもする。
どこに座るわけでも無くあちらこちら見てると再びリヴァイさんが浴室から出てきた。お風呂上がりだ。
「悪いな。」
髪が少し濡れててホカホカしていた。部屋着なのか何時もちゃんと着こなしをしているリヴァイさんとは思えないシンプルな服装。真っ白のロンTに黒のズボン。
なんか新鮮かも…。
「ボス!夕食のコロッケお持ちいたしました!!」
「あぁ…、キャベツ多くねぇか?」
「気のせいでございます!!」
おっとバレる所だった。一瞬眉間のしわがピクッてなったあぶねぇ。
「では私はこれにて失礼致します。ソースはつけなくてもコロッケ自体に味がついて大丈夫ですが、もしじゃがいもの味が薄かったらケチャップでもつけて下さい!」
ではっと帰ろうとした時、ガシッとリヴァイさんの手が私の頭を掴む。
掴む。
若干ミシミシとも聞こえる。
「あ、あの…リヴァイ、さ…?」
握力半端ねーな!!涙目になりつつ何かしでかしただろうか…?と言葉をさかのぼる。はっ!!もしや魔王様はウスターソース派だったのか?でも調味料かけると塩分が高くて身体にも悪いからと思いなにもかけてない。それがお気に召さなかったのだろうか…?
言葉を発しようとした時がっちり掴んでた腕がガシガシと不器用に私の頭を撫でる。
「お前の飯は悪くない。何時も旨い」
「え、あ、ありがとうございます」
誉められた!!明日は天変地異だ!!
「てめぇ、今失礼な事考えただろ」
「いたたた!!め、滅相もございませんご主人様!」
ぎっちぎちに掴まれた頭を離してもらい出口へ進んで行く
「おい名無しさん 」
名前を呼ばれ振り返りポーンと何かを投げられる
わわっと思い投げられたそれを懸命にキャッチ
。見てみるとイチゴ味のあめ玉だった。
「やる。褒美だ」
そう言われありがとうございますと返し、無事私は魔王の城を後にした。
そして自分の部屋にあった大量のコロッケを足立さんにもお裾分けし、夕食にありつく。
お風呂に入りゆっくりと過ごす時間の中、先程リヴァイさんから貰ったあめ玉を口に入れ甘さとホカホカする自分の気持ちを飲み込み、眠りについた。
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