お題
□その男、俺様
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今日の晩ご飯はサバの味噌煮とポテトサラダだった。
何時もみたく隣のリヴァイさんに「今日何だ?」と聞かれ上のメニューを言った。そうか悪くないと言う彼の手は私の頭をわし掴みながら拒否権はねぇよオーラ丸出しだ。
出来たらお持ち致しますーと言い合ったのが2時間ほど前。
大体何なのさ!!いっつもいっつもねだりに来やがって!!彼女に作って貰えよ!!ん?彼女いるのか!?どっちでもいいけど!!私優しい!!
イライラしながらお風呂でも入って落ち着こうと思い浴槽にお湯を溜める。
溜める。
「…」
「……」
湯気、出てなくね?
じゃー…
水、冷たくね?
え、え?お湯が出ないよ。え、どうすんのこれやだこれ。お風呂入れないじゃん!
給湯器壊れた!?45℃になってる。スイッチも入ってるし…。
冬じゃ無いから、でも流石に水風呂は、嫌だなぁ。
はっ…!!
リヴァイさんに聞いて見よう。
今(チラ)
9時ちょっと過ぎてる…
大丈夫かな。
ピンポーン…
ガチャ
「あ?…名無しさん?」
「こ、こんばんはリヴァイさん。夜分遅くすみません」
「どうした?何かあったのか?」
「あのですね…お湯が出ないんです」
「は?」
私はリヴァイさんを部屋に招き入れお湯が出ませんと伝えた。少しひねって待って見たものの出るのは水。俺の部屋は出ると言ってたのでこの部屋の外に備え付けのボイラー?見たいなのを見てみるがよく分からず、管理人に聞いて見た方が早いと言う事でアパートの一階に住んでいる管理人ご夫婦に聞いてみた。
そして明日修理の人を呼ぶらしい。すみませんお願いしますと伝えとぼとぼと二階に戻る。
「あぁ…どうしよう。明日お休みだから明日でもいいかなぁ。いやでも入りたい〜!友達に聞いて見ようかな」
二階に着くと
「修理は明日か?」
リヴァイさんがドアの前で待っていた。
「はい。朝イチで来てくれるそうです」
「そうか」
「はい、すみませんご迷惑おかけしました」
それではおやすみなさいと言おうとしたら
「何なら、入るか?」
…はい?
入るはいるハイル…?
分からずそれはお部屋に入るという意味ですかと聞くと
「馬鹿が。風呂に入って行くかという意味だ」
えぇええ!!いやいやいやえ?何?あの魔王様のお部屋のお風呂に入れと!?灼熱風呂じゃないよね。そもそも私達ってお隣さん同士なだけの関係。軽々しく買い物行こうぜ!!なノリで果たしてお風呂をいただいてもいいものか…
脳内パニクってると
「誤解するな。何時もの飯の礼だ」
なんだかリヴァイさんが優しい…。あの目付きで大魔王もしくはオバケでもチビりそうな感じなのにいたたた…!!あたまミシミシいってるー!
「な、なにも言ってません!!」
「なんかイラっとした」
何だかんだありつつ結局リヴァイさんのお部屋のお風呂を貸してもらうようになった。
着替えとシャンプー類を持ち、覗かないでくださいと言い(興味ねぇよと言われた)身体を洗う。
それにしたって風呂場もピッカピカだなんてあれか?潔癖症ってやつか?ふぃーーとオヤジ臭くお風呂を出、後にした。
「リヴァイさんすみません!お風呂いただきました!ありがとうございます。」
「あぁ気にすんな」
ソファーに座ってテレビを見ていたリヴァイさんが
此方を向く
そして私の部屋の玄関前まで来てくれて
「本当に助かりました!明日私お休みなので何か差し入れしますね。あ、甘いものはお嫌いですか?」
「良いから、気にすんな」
「そ、そうですか…」
「…それよりお前、男をホイホイ信用すんじゃねぇぞ」
「は?」
「今日みたく知らない男を部屋に上げんな」
「あ、はい…すみません」
多分私の身を案じて、いるのだろうか?何かあっては遅いと言いたいのだろう。
怒られている子どものようにしゅんとしていると頭に大きな手が乗せられた。
「別に責めちゃいねぇよ。」
ぽんぽんと頭を撫でられ不器用なリヴァイさんの優しい言葉がかけられた。
「すみません、リヴァイさんは大丈夫かと思って部屋に入れたのですが…。誰でもって訳ではありません!!」
「あぁ、わかった」
「では失礼しますね」
そう言うと頭にのせていた手を髪を溶くようにさらっと下げられ去り際にやっぱ明日何か作れ、甘さ控え目な、と言い残しリヴァイさんは部屋へ戻って行かれました。
残された私は髪を溶くよう下げられたリヴァイさんの指が少し頬をかすり少し赤くなった頬を両手で包むのでした。
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