お題

□双方の軽い変化
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「ふぁあぁあ…」

よく寝た。しこたま寝た。朝6時30分時。今日はお仕事もお休み。何時もより長めに寝てしまうのは私だけじゃ無いはず。
暫くお布団の中でゴロゴロしつつよし!と意気込み着替える。さっぱりしようと顔を洗いあ、少しクマができてるショック!!となる。

そう言えば今日は修理の人が来るんだ。早めに朝ごはん食べておこうとキッチンへ。


コーヒーをドリップし近所の方に戴いたクロワッサン(プレーンと紅茶味)、ちょこっとサラダと目玉焼きを焼き朝ごはん出来上がり。
パンをもっさりもっさり食べながら今日何しようかと計画を立てる。修理の人が来たらお買いもの行って…あ、リヴァイさん、なんか甘いもの作れって言ってた…。よし、午前中はお菓子作りしよう。
そうと決まれば洗濯、ゴミだし。








「よいしょ」

ゴミだしも終了し部屋へ戻ろうと思ったら見知った顔が目に入る。あれは…リヴァイさんだ。あの人朝走ってるのか。体力作りか?すげー。
リヴァイさんとの距離が近くなり向こうも私に気付く。

「…お前意外と早起きだな」

「リヴァイさんおはようございます。毎朝走ってるんですか?」
(何だかけなされた感はあったが無視)

「あぁ」

「汗だくですよ!!何キロ走ったらそんなになるんですか!?」

「知らねぇ…10qくらいじゃねぇのか」

毎朝10q走ってるのか!?この人。体力バカだ←(失礼)
等とは口には出せず(言ったらまた頭ガッチガチだ)一緒に部屋前まで行く。
リヴァイさんの後ろを歩き後ろ姿を見る。服来てるから筋肉見えないけど、ムキムキなんだろうか…。腹筋割れてそうだもんな。
ふと、昨日の出来事を思い出す。自分の頬にリヴァイさんの指が当たった感触。ゴツゴツした指。自分より一回り大きい手。何だ私手フェチか!?
赤くなる顔をブンブンと振り心を落ち着かせる。

「お前、今日休みって言ってたか…」

「はい。あ、修理の人ももうすぐで来てくれるそうです。昨日は本当にありがとうございました」

「別にいい」

「リヴァイさんも今日はお休みですか?」

「あぁ」

「お休みの日でもランニングって、すごいですね。私だったらやらない」

「はっ…お前と一緒にすんじゃねぇよ…まぁ名無しさんならぐーすか休みの日でもずっと寝てそうだもんな」

「な!聞き捨てなりません!お休みの日は少しでも多く寝たいって思うのが当たり前です!!」

「子どもか…」

「リヴァイさんだって毎朝10qって意味がわかりません!何で毎朝走ってるんですか?嫌味ですか?筋肉ムキムキにそんなになりたいんですか!?」

もはや意味の分からない逆ギレである。言い合っている私の目には階段の段差何て最早入ってなくて…

「腹筋割れてしまう"ぁぇっ!!…」

悪態と共にいい放つとガツンっと足前が段差に躓く。スローモーションのように階段と自分の距離が近づく。あ、このまま転けたら痛いだろうなっと悠長に考え、この先来る痛みに耐えるよう目を瞑る。
、が中々来ない。あれっと思い目を開ける。

「…お前は、本当にそそっかしい奴だな」

呆れた声と吐く吐息が近い。視線をあげるとこれまた呆れた顔のリヴァイさん。え、あれ…え?ち、近っ!!なんとリヴァイさんに上半身を支えて貰っているこの状態。痛い思いはしなかったものの、これは流石に恥ずかしい…!!脇腹辺りをリヴァイさんの腕が支えてて、手は私の背中辺り。腕に力を入れているのだろう少しあたったら堅かった。男の人だなって思った。それにリヴァイさんさっきまで走ってたから、何だか熱い。汗の匂いと男の人の匂いと、リヴァイさんの部屋のあの匂い。嫌なにおいじゃなくて…
って私変態かっ!

「す、すみませんリヴァイさん!受け止めてもらえなかったら今頃階段とこんにちはでした!ありがとうございます」

「気をつけろよ……顔が赤いが、大丈夫か?」

リヴァイさんが顔を覗き込む

「はははぃ!!大丈夫でございます!!」

「ほら、戻るぞ」

そう言う彼の顔は愛おしいものを見るようなそんな眼で。事故とは言え彼女が自分の腕の中に納まる位小さいと気付く。昂る気持ちを押し込み、彼女と別れ、帰って熱いシャワーを頭からかぶる。
自分にはない女性特有の柔らかさが頭から放れず、クソがと苛立ちを空気へぶつける。






彼女は知らない。





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