お題

□近づく距離
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朝晩は寒く日中は暑い日が続く
ある日




「ちょっ…リヴァイ大丈夫?顔色悪いよ」

「っ大丈夫だ。余計な心配すんな」

「だって…ふらふらしてるよ。…っほらっ!危ない!!モブリット、向こうからブランケット持ってきて」














「リヴァイは大丈夫かい?」

「うん、今は常備してた薬飲んで眠ってる。熱もあって…疲れが出たんだろうね。風邪だと思うけど。エルヴィン私リヴァイを家まで送って来るよ」

「あぁ、そうしてやってくれ。もしリヴァイの目が覚めたら万全になるまで出社禁止と伝えておいてくれ」

「りょーかい」








「ここだよな」

エルヴィンからリヴァイの自宅の住所を聞き、リヴァイを担いでタクシーから降りる。少しだけ待ってて貰ってもらえますかと運転手さんに伝えて階段を上がる。

この男、意外と庶民的なのか?もっと高級マンションに住んでると思ったけど…見かけによらないな。まぁリヴァイの性格だ、ゴテゴテしたのは好まないのだろう。
同期の意外な(?)一面を垣間見れ部屋を目指す。

「リヴァイ、部屋開けるよ?」

…と返事は返ってくる事もなく、入口で鍵をさし、開ける。


「…」

まぁ、なんと言うか…リヴァイらしい部屋だな。覚悟はしてたけど。1oでも家具を動かせば文句言われそうだ。
とりあえずこの男をベットに寝かせなければ、こっちも腕が痛い。






ベットに寝かせ、買っておいた冷えピタを張ってやる。
そこで気が付いたのかリヴァイが目を覚ました。

「…あ?メガネ、何してる………俺の部屋?なんでてめぇが居やがる」

「あ!リヴァイ起きた?だってあなた熱で仕事場で倒れたんだよ。一応風邪薬飲んで少し眠ってたんだ」

「俺が…熱?…そうか……クソっ……………確かにだりぃ…」

「そうそう、無理して倒れたんだよー。これを期に少し休んだら?エルヴィンも治るまで出社するなってさっ」

「……」

「一応ミネラルウォーターとポカリ買っておいたよ」

「…あぁ、…おい、今何時だ?」

「今?5時過ぎてるよ」

「…隣の奴呼んで来てくれ」

「…は?」

思わず聞き返してしまった。隣の、住人の事言ってんだよな。何だ?リヴァイの知り合いか?
まぁとりあえず行ってみよう。
リヴァイの部屋を出て、言われた通り隣の部屋のベルを鳴らす。




ピンポーン




「はーい、少々お待ちを…!!」

ん?女の子の声?

「はい」(ガチャ)

目の前には女の子が立っていた。身長は低く、小柄だ。リヴァイに女の子の知り合いがいたって言うのも珍しい。皆に言い付けてやろう!

「あ、あの?」

女の子が不思議と見てくる。

「あぁごめんごめん!怪しい者じゃなくて、私ハンジ。隣の部屋のリヴァイと同期で一緒の職場なんだけど、リヴァイがさー熱出してぶっ倒れて、いま運んで帰って来たんだ。んで、そのリヴァイがあなたを呼んでこいって言うもんだからさ」

「えぇ!?リヴァイさん、熱!?…大丈夫ですか?」

「昼に一度薬飲んだけどまだ冷めないね」

あ、とりあえず行こうかと彼女をリヴァイの部屋へ。

「し、失礼します…」

そんなに改めなくていいよーと言ったらてめぇの部屋じゃねぇよと言われた。

「リヴァイさん、大丈夫ですか?薬はお昼に飲まれたんでしたっけ?何かお腹に入れましたか?お粥作りましょうか」

「あぁ、それより水…」






お?なんだかこの二人、親しげ…?あのリヴァイが、しかも女の子に、心を許してる…?







…デキてるのか…?





何だか面白そう♪



「ぉおっとー、私はお邪魔みたいだから、会社へ戻るよ」

「あ!えっとハンジ…さん」

玄関へ行くと彼女も着いてきた。

「《彼は貴女が良いみたいよ》」

「えぇ!?」

「此方こそ滅多に見れないレアなリヴァイを見せてくれてありがとう。揺するネタができた」

「はぁ…」

「ところで名前は?」

「あ!すみません!!名無しさんと申します。」

「 名無しさんちゃん、リヴァイよろしく!」

名無しさんちゃんと玄関でこそこそ話していたら

「おいハンジ、世話をかけた」

部屋の中から珍しい一言が。

「いいよー!!リヴァイも早く治しなよ!じゃ、名無しさんちゃん、またね」

「はい!また」





成る程ね〜あのリヴァイがね〜最近やたらと付き合い悪いと思ったら、…成る程ね〜!!
帰ってエルヴィンに報告しよう。





















「リヴァイさん、お粥できました。起きられますか?」

「あぁ」

ハンジさんが帰り、お粥を作るべく一度自分の部屋へ。だってあのきれいなシンクを見ると汚すのが恐い…!!ピッカピッカだぜ?モデルルームか!

「はい、どうぞ。リンゴがあったのですりおろして来ました。…今は栄養をとってゆっくり休んでください。」

「あぁ…」

よかった!!ご飯食べてくれた。これで汗をかいて熱が下がれば良いんだけど…。



何時間経ったか…ご飯も食べ薬も飲み、今は少し落ち着いている。たまに目を覚ましてまた寝てしまうが、やはりまだ少し苦しいのだろう。冷えピタが熱くなっていたのでハンジさんが買っておいたのを拝借する。そこでまたリヴァイさんが目を覚ました。

「あ、気が付きましたか?お水、飲みますか?」

あまりでかい声を出すのも気が引けたのでトーンを落としながら言う。

「…名無しさん…?悪い、迷惑かけた」

そう言いながらベッドから上半身を起こす。

「いえ、そんなこと思ってませんよ。…大分顔色が良くなりました。汗をかいてるので着替えと思ったのですが…あんまり探られるのも嫌かと思いまして…」

「いや、いい。クローゼットの下段にある」

わかりましたと伝え言われたクローゼットを開ける。これまたきっちりと収納されてて。なるべく現状維持しつつ、シャツとトレーナー、黒のサルエル、下着は…後でいいや。ハンドタオルも数枚拝借する。
熱めのお湯を出しハンドタオルを温まるまで浸けて絞り、ビニールの中へ。暫くは冷めないだろう。

「すみません、お待たせしました。リヴァイさん、あの、見ないので服…脱いでもらってもよろしいですか…?」

そう伝えたら、少し眉間にしわがよった。そして服を脱ぎ始めはう!と思い顔を反らす。
衣服のかすれる音がしなくなったのでそれでは後ろ向きますと言って、(なにも反応がなかったので)、なるべく見ないようにリヴァイさんの後ろへまわる。

「あの、嫌かも知れませんが私が背中拭きますのでリヴァイさんは前を…」

渡したタオルをとってくれたのでなんとかホッとし背中をふく。
冷えてはいけないと思い、持ってきた服を渡し、私はタオルと着ていた服を脱衣かごへ持っていく。
戻ったら持ってきた服に着替え終え、お水を飲んでて、寝る前に薬をもう一度と思いリヴァイさんに渡そうと前に差し出した。

すると突然右腕を掴まれ、ぐいっとリヴァイさんの方へ引き寄せられ左手はベットについたまま。
左手がなかったら顔からベットに、もといリヴァイさんの胸にダイブな体制。
行動の意味が分からず??になって。
でもリヴァイさんは目線をそらさずじっと私を見つめるだけ。見つめられると自然と顔も赤くなるわけで。
あの、リヴァイさん…と言おうとしたらリヴァイさんの顔が近づいてきた。
そっと自分の唇に触れるもの…。時間にしたら数秒なのに時間が止まった感覚になった。
キスされたと思ったのはリヴァイさんの顔が離れていく時。
あ、え?あ、と訳のわからない言葉を発し顔は真っ赤であろう。
何で?どうして?とリピートされる頭の中、リヴァイさんが、







「…ずっと、お前の事が…好きだった」





突然の告白に、そのあとどうやって自分の部屋へ戻ったかあまり覚えてない…。

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