お題

□お前は、俺が護る
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パンっパンっ!

……
………






「…悪くない」





午前8時



空気は冷えているが、心地好い
今日も言い天気になりそうだ
朝のジョギングも終え、シャワーも浴び、洗濯も終わらせた
シーツも干した



「……」



今日は久々の休みだ
(エルヴィンが休めと五月蝿い)

午前中は掃除だな


「………」









昨日の事が頭から離れない
思い出しただけでイラっとする

漸く自分の気持ちを名無しさんに伝え、その返事を聞けた(パニクって暴露った)ってぇのに、何処からか湧いてきた豚野郎が…
その野郎がまさか…
あいつの元彼だと?笑わせるんじゃねぇよ。
笑えねぇよクソが




バンっ!!バンっっ!!バンっっっ!!
※布団を叩いています




…まさか、クソ野郎になびくって事は…
いや、あいつに限ってねぇな


…くそっ!!










因みに今のリヴァイの格好
お馴染み頭に三角巾、口元にお約束のマスク

そしてご近所では少し有名人
イケメンでキレイ好き、いつも掃除しているイケメン、独身でイケメン、イケメン…諸々


―今日は、何だか激しいわね―
―本当に…―
―何かあったのかしら…―


、と言うアパート向かいの下からゴミだしを終えて世間話をしている奥様方から、会話が交わされていたことは、リヴァイは気付いていない



















―――――

「…名無しさん?」

「!!!?か、和哉…」


名無しさんの知り合いか、でもこいつのこの怯えようは…?


「久しぶりだなぁ!!元気だったか?」

「あ、うん…元気、かな」

こいつ、俺を眼中に入れてねぇな
名無しさんも目が游いで

「つれねぇなぁ、連絡全然ねぇじゃん。俺待ってたのに」

ぐぃっ

男が名無しさんの腕を掴み自身へ寄せていた。力が強いのか名無しさんの顔も痛さ故か歪んでいる

「!?い、ゃ!!……、あ、ご、めん」

「おい、そのくらいでいいだろ、その手を放せ」

そう言いながら名無しさんの手を掴んでいた男の腕を力を籠めて握る
男の顔が歪んだがそれはどうでもいいその手を放せクソ野郎


「ってぇ…何だよあんた」

そう言いながら男が名無しさんの手を放す

「あ?人に聞く前にまずてめぇから名乗るのが礼儀だろうが、あ゙?」

「り、リヴァイさん!…、…この人、和哉って言います…その…」

「恋人だろ?」

「は?ちょっとやめて!!もうあんたとは関係ない!!」

「つれないじゃん!!」

「よく言うよ!!他に女作って…酷いことも……!!もう2年も前でしょ?」

「もう元カノとは別れたって、俺にはお前しかいねぇよ」


「おい、クソ餓鬼。冗談は顔だけにしろ」

男は気に入らないのか睨んで来やがる、何とも思わないが
…いい度胸だ。躾が必要か


「ちぇっ…興が冷めたぜ…名無しさん、またな」






男が立ち去り、再び俺と名無しさんだけになった



「おい、大丈夫か?」

「あ、はい…大丈夫です」

…全然大丈夫じゃねぇだろ顔が真っ青じゃねぇか
そんなに会いたくなかったのか
二人の間に何かあったのか
まぁあの断りようなら今は本当に何も無いのだろう

「リ、ヴァイさん、すみませんありがとうございます」

「あ?」

「今の、昔付き合っていました。それなりに大切にされていたと思います。でも段々と暴力まではいきませんが、手をあげられるようになって…!!
そして他に女の人を作って、と言いますか浮気されて、色々我慢出来なくなって私から別れて欲しいとお願いしました」

「…」

「もう2年前位の事です。今まで何も無かったのに…どうして今…」

心ここに在らずな感じの名無しさん
心なしか少し震えている
こいつにこんな過去があったとは…
俺は名無しさんの腕を自身へと引き腕の中へ抱き締める


「!?リヴァイさん?」

案の定びっくりしている、腕の中の女の頭を撫でる

「大丈夫だ、俺が側にいる」

「…はい」

名無しさんの髪の毛をすきながら、左手は背中をポンポンっと子供にしてやるように

「何かあったらすぐに頼れ。お前はどんくせぇからな…事後処理にならないように」

名無しさんの頬を両手でぐいっと、俺の目線と合わせるように
はい、と言う彼女のおでこに軽く口づけ、リップ音を付けて

案の定顔を赤くしている女の頭をなで、今日は此れくらいで許してやるよと言うと更に赤くした


手を繋ぎアパートの階段を一緒に登る
















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