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大まかに、こちらの世界で重要だと思われる事を教えた。
その中で彼らが驚いたのは、戦がない、という事だった


『完全にない訳ではないですけど、約60年前この国は武力放棄をしました』

「兵を持たないのか?」

『自衛隊を軍隊だと言う人もいますけど、戦争には参加しません』

「平和なんだな…」

『…戦争なんて、非生産的じゃないですか』

人を殺して蹴落とす暇があれば、自分が努力して上に上がった方がいい。
その方が、失敗した時他人のせいにしないで済む

私の言った事を理解したのかしなかったのか、はたまたできないのか。
彼らは微妙そうな顔をした

『っていう訳で、武器類をお預かりします』

「はぁ!?」
「冗談だろ」
「戯れ言を…」

『…こちらの世界では、法律に従わなければ生きていく事ができません』

「法律?」

『人が健康で豊かな生活をおくる為の決まり事です。その中に銃砲刀剣類所持等取締法というものがあります。銃器や刀剣の所持に関するものです』

彼らには理解できないかもしれないが、受け入れてもらわなくてはならない事だ
 
『貴方達の武器は「刀剣類」にあたります。「刀剣類」とは、刃渡り15cm以上の刀、やり及びなぎなた、刃渡り5.5cm以上の剣、あいくち並びに45度以上に自動的に開刃する装置を有する飛出しナイフの事で、理由なくこれらを所持する事は禁じられています』

「俺様には、旦那を守るっていう理由があるんだけど?」

『では一緒に公安委員会で、許可を取りに行きますか?許可が下りれば持っていても構いませんよ。まあ、無理でしょうけど』

「なんで?」

『いくつか理由がありますけど、貴方達に当てはまるのでは大きく3つでしょうね』

1.住居の定まらない者
2.集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
3.自己の行為の是非を判別し、又はその判別に従って行動する能力がなく、又は著しく低い者


「最後のはどういう意味かな?」

『それすら自分で判断できないなら、やはり無理でしょうね』

猿飛佐助がさらに睨んだ


 
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